今大会は日本勢にとっては世界選抜戦、海外勢にとっては秋の世界大会前哨戦という意味合いを持ち、ワールドクラスがエントリーしていた。
前回優勝の纐纈選手と優勝候補のニマ選手が欠場という事態に、波乱のトーナメントになる予感がしていた。
メインコートの審判に入っていたので、ウチの高校生や全日本に出場した選手の試合を見ることができた。
今大会、纐纈選手の欠場で海外勢に優勝を持って行かれるのでは?という声があちこちから聞こえて来たが、それら不安要素を若手選手の大活躍が打ち消してくれた。
体格差をものともしない接近戦での打ち合い、まだ高校生の選手が真っ向勝負で強豪外国人を打ち破って行く姿に鳥肌の立つ思いがした。
一般の全日本にまだ挑戦するにはリスクも伴う高校生が敢えて出場したことを、これから先を見据えた経験を積むためなのだろうな、と思って見ていた。
何せ身長2メートル近い、100㎏級が出場していて
パワーや打たれ強さがケタ違いな重量級選手がひしめき合う体重無差別なのだから早い回で負けたとしても無理もない。
ところが、今回の若い選手達は明らかに意識が違っていた。
経験するためだけに出ているんじゃない、体格やパワーで劣っていても、勝つつもりで全力で外人選手を潰しにかかっていた。
その気迫が乗り移ったかのように連鎖的に強豪外国人が次々に敗れる波乱。
優勝は大石道場の日下部選手。右手を骨折してから全力で突けない状態で身長差30㎝、体重差40㎏以上の体格差を撥ね退けて優勝した姿は後に続く後輩達に夢と希望を与えてくれたと思う。
いや、『夢は現実になる』ことを教えてくれた。
若い力の勢いと可能性を感じた大会だった。