4バンドだったか5バンドだったか、私のZeppを購入いただいた京都のOMと3.5MHzでラグチューをしていた時、”トリプルバズーカ”というアンテナがあるということをお教えいただきました。
ダブルバズーカはよく知られていますがトリプルバズーカです。
トリプルバズーカはここに載っています。
少し絵が見えにくいので書き直しました。

給電部分の左右のスタブ部分はクロスしていません。
ネット等で紹介されているダブルバズーカは心線と網線がクロスしていますがここに紹介されているのは図のようにストレートです。
こちらの方が当然ですが作りやすく、強度もあると思います。
帯域はどうなんでしょうか?
私はダブルバズーカを作る気は無いので誰かやられた方がいらっしゃったらお教えください。
それとトリプルバズーカのトリプルの所以である3本目は給電同軸です。
左右のエレメントと同様1/4λ(電気長)で、無線機に行く同軸とつなぐ際に心線と編み線をクロスさせています。
これで本当に広帯域になるのかやってみました。
わざわざ新しいアンテナを作らずに、手持ちのアンテナで検証することにします。
ダブルバズーカも何処かにあったと思うのですが、1/2λ Folded Dipole でやってみます。

1/4λ(電気長)の作り方です。
75Ω同軸でQ-マッチを作るのにもこれと同じですので参考にしてください。
使う同軸は3D-2Vなので短縮率は0.67と言われています。
300÷7.1÷4x0.67=7.078(m)
ですが長めに切って7.5m の同軸を用意して片側にコネクタをつけました。
コネクタをつけずにワニ口クリップなどでも良いのですが、どうせコネクタをつけるので付けておきます。
アナライザーの測定スイッチをインピーダンス側にして値が最小になるよう同軸を切っていきます。

後の作業もあるので7.10MHz より少し長めにしておきました。
1/4λの同軸長を測る時は端末は切りっぱなしで測定します。
1/2λの同軸長を測る時は同じように測るのですが、コネクタと反対側の切り口は心線と網線をショートさせて測ります。

心線と網線をクロスさせる必要があるのですが、コネクタ内部で出来れば言う事はないのですがどうしても無理なのでこのような半田付けを行いました。
この後テープを巻いて左に見えている熱収縮チューブを被せておきました。
この前後の記事を読んでいただければ、大体の構造がわかります。

給電部分の内部です。
インピーダンスをあわせるため1:4のバランを入れています。
これで給電部インピーダンスはほぼ50Ωです。
給電部高さや張る角度等によって給電部インピーダンスは変わりますのでご注意ください。

ダブルバズーカの様に300Ωリボンフィーダーの長さは1/4λ電気長です。
当然7MHz に同調させるには長さが足りませんからこのようにIV線を足しています。
構造的にはダブルバズーカと同じです。
只、同軸ケーブルかリボンフィーダーかの違いだけです。

7.10MHzでディップするようにヒゲの長さを調整しました。
次に7.00と7.20MHzでSWRがどのようになるか測ってみました。
その結果が下の2枚の写真です。


7.00 7.20MHz どちらもSWRは1.4でした。
マズはダイポールより広帯域です。
今度は給電同軸に1/4λでクロスさせたものを加えてみます。

7.00MHz でSWRは1.4で付け足さないのと全く同じ。
写真は撮り忘れたのですが7.20MHz でもSWRは1.4でした。
変化なしです。
測定値とそれをグラフにしたので載せて置きます。

有意な差は感じられませんでした。
少しグラフがずれた(周波数特性)ようには見えますがあまり意味はなさそうです。
ちなみにSWRが1.5と2.0の周波数も測定しておきました。

以前ダイポール・Zepp・ダブルバズーカの周波数特性を調べた時の結果です。
それぞれ2本ずつ測定しています。
只、どのアンテナも私が作ったアンテナなのでこれが真値というわけではありません。
皆様が作られたアンテナの方が周波数特性はよいでしょう。
参考にはなると思います。
ダブルバズーカは3D-2Vで作っています。
5Dも作ったことはあるのですが記録には残してません。
3Dを測定した時のメモに5Dとの差は感じられない とメモってはいます。
ダブルバズーカも1/2λ Folded Dipoleも特性はほぼ同じです。
今回はトリプルバズーカという事で給電同軸に一手間加えましたが、効果はありませんでした。
効果があるのなら普通のダイポールにでもこのような事をするでしょうね。
エレメントにスタブで同軸・フィーダーを入れるのはまだ理解の範疇ですが、給電同軸に細工をしたら帯域が広がることはありませんでした。