このブログは義父と義母を介護した過去の経験をもとに書いたものです
思いつくままに書いており時系列順ではありません
あらかじめご了承ください
コミュニティーカフェで
ボランティアをしていた時に
毎回お見えになっていた御夫婦が
いらっしゃいました
旦那さんが認知症だというお話
一見全くわかりません
会話も成立していました
ただ
「夕方になると
『家に帰らなければ・・・』と
外に出てしまう」とのこと
旦那さんの生家は
御自宅から車で20分程の場所でしたが
既に取り壊されて今はありません
でも旦那さんは
壊された記憶が飛んでいたのです
毎日夕刻になると
実家のあった方向に歩き出す
そして
1時間程歩くと
スマホから奥様に連絡が
「迎えに来て欲しい」
これが
毎日繰り返されるのです
「もう日課だから」
奥様は笑い話のように
語っておられました
同じように義父は
特養に入所してから
「長野の実家に行ってみたい」を
繰り返していました
そのたびに義母が応えます
「もう売られてしまって
家は壊されて無くなってしまった」
そして義父から
「なんとか取り返してもらえないか」
毎度頼まれていました
「そのうちに取り返すから」
いつもいいかげんな返事をしていました
てっきり
無くなったと思っていたからです
ところがある日
「今
敷地の所有者は誰なんだろう?」
金融機関で永年
不動産を見てきた性なのでしょう
さっそくオンラインで登記簿を閲覧
すると
所有者は義父の弟のままです
念のため建物も閲覧してみると
少なくとも登記上は
取り壊されていません
グーグル地図で確認すると
建物は建ったまま
翌日義母に確認してみました
「長野の家を売ったのを
どうやって知ったんですか?」
「誰かから
そんな話を聴いたような気がする」
極めて曖昧です
おそらく
義母の虚言壁が出たのでしょう
「売られていないし
建物も建ったままですよ」
登記簿の写しと写真を見せながら
さっそく特養の義父に知らせました
もちろん安堵してくれました
義母に対してもお咎めなし
その後義父は
長野の話をすることが
なくなりました
帰る場所のある安堵感
誰しも
どこか頭の片隅にあるのかもしれません