このブログは義父と義母を介護した過去の経験をもとに書いたものです
思いつくままに書いており時系列順ではありません
あらかじめご了承ください
突然のことでした
特養に入所して
従順に過ごしていた義父が
エレベーターホールまで送ってくれました
ここまでは
いつもと同じ光景
ところが
この時は何故か
我々とともに
エレベーターに乗り込もうとしたのです
遠目に見ていた職員が
慌てて駆け寄ってきました
しかし義父は
臆することなく
「しばらく出てきます」と挨拶
ただ
職員が寄り添って
エレベーターから降ろされました
「早く扉を閉めて下さい」と
急かす職員
当方は何事もなかったように
「また来るからね」と義父に伝えて
扉を閉めました
義父には狼狽えた様子もありません
一体全体
あれは何だったのか
単に
職員をからかっただけなのかも
しれません
あるいは
少し外を歩きかたくなったのか
特養の位置から判断して
その「少し」も困るのです
何故なら
自宅へは徒歩5分程で
着いてしまうから
何度か書きましたが
義父が特養に入ったのは
義母が同居を拒んだからでした
それなのに
義父が
ぶらりと帰ってきた日には
義母は腰を抜かすどころでは
すみません
特養から自宅まで
それなりの距離があったのなら
一緒に散歩できたのかも
しれません
その後
義父は脱走を試みることも
しませんでした
ふと外に出たかっただけなのか
今となっては
知る術もありませんが
特養の閉鎖性は
介護者が想像する以上に
被介護者には苦痛なのでしょう


