前項「キムギヨン監督、女、女、女」展で上映されるというチャン・ミヒ主演「ヌミ」って何だろう?
共演がハ・ミョンジュンと言うのだから、興味を持たないわけにいかない
調べてみたら、簡単にわかった。
1980年制作。110分。
「青少年観覧不可」っていうのが、キム・ギヨン(金綺泳)監督の作品らしいところだ。
<あらすじ>ヌミ(チャン・ミヒ)は聴力障害のあるレンガ工場労働者だ。彼女は工場技術者のシン・ヨンガムと彼の娘と一緒に暮らす。 そのそばの家にはユン・ジュンテ(ハ・ミョンジュン)という一流大学出身の会社員が下宿をしている。
シン・ヨンガムが不慮の事故で死ぬと、すぐにジュンテはヌミを世話する。ジュンテは愛を知らないヌミに真実の愛をささげる。
しかし、ヌミは別れることが正しいと考える。ジュンテはヌミの心をつかむために労働者に変身して、ヌミのそばにいようとするが、ヌミは家財道具を整理して家を出る・・・。
まあ、そんなストーリーだという。
奇怪な雰囲気、感覚的な映像、細密な心理描写・・。いつもこんな風な修飾語がつくキム・ギヨン監督。
「ヌミ」は逝去10周忌を迎えた2008年7月、32作品のうち失われた9作品を除く23作品が同資料院で「キム・ギヨン全作展」として上映されたときに、そのうちの1本として上映されている。
このときには、開幕作品としてマーティン・スコセッシ監督率いる世界映画基金(WCF)の後援で復元された『下女』(1960年)が上映されており、その話題にかくれてしまったらしい。
『ヌミ』(1979年)もこの時、新たに復元されたネガフィルムで上映されているのだ。
プリントを複写した『自由乙女』(1982年)、キム監督の遺作で未公開作の『死んでもいい経験』(1990年)も、初めて観客に披露された。
2008年10月の東京国際映画祭でも、キム・ギヨン監督特集の上映会があった。
しかし「下女」など7本が上映されたものの、「ヌミ」はその中には含まれていない。
そのうち「ヌミ」を日韓次世代交流映画祭の古典特集で上映したい。
キム・ギヨン、チャン・ミヒ、ハ・ミョンジュンと3人そろった作品なのに、無視する必要はないからだ。