成果向上型人事制度を導入しての効果測定6 | 人事評価のQ&A

成果向上型人事制度を導入しての効果測定6

 成果向上型人事制度 を提唱して5年以上経ったが、導入企業の効果測定を試みた。人事制度導入による効果測定とは、初めてのことで難しい部分があるが、可能な限り導入企業にご協力をいただいて調べてみた。(その調査結果を6回に分けて報告します。)

 

3.効果測定の限界
 
 企業である以上、利益の増大に結びつくことが一番であると考えられるが、利益というのは人事制度以外の要因によって決まる割合が高いため、単純に利益が上がった・下がったという判断はできないであろう。

 

 その利益に結びつく労働生産性や労働分配率であれば、もちろんこれも他の要因が影響するが、人事制度による影響も大きいのではないかと考えられる。

 

ただ、これも導入前の状況がどうであったかによる。もともと高い水準であれば、制度導入によってもそう変わらないだろうし、低い水準であれば、ちょっとした他の要因でも改善することがある。

 

 最近の成果主義の反省点と同じで、結果や業績だけの評価でなく、意識や行動の変化に着目して効果を考えた方がよいのではないだろうか。

 

 すなわち、育成型人事制度とおなじく、意識や能力・行動がよければ高い成果に結びつく、という考えで、ステップ2・3を重視した方がよいと考える。