成果向上型人事制度を導入しての効果測定1 | 人事評価のQ&A

成果向上型人事制度を導入しての効果測定1

 成果向上型人事制度 を提唱して5年以上経ったが、導入企業の効果測定を試みた。人事制度導入による効果測定とは、初めてのことで難しい部分があるが、可能な限り導入企業にご協力をいただいて調べてみた。


(その調査結果を6回に分けて報告します。まずは測定方法について)

 

1.効果測定の項目と方法の検討

 

 研修効果を測定する方法に「カークパトリックの4レベルフレームワーク」という考え方がある。簡単に言うと、研修の効果を把握するにはレベルが4段階あり、そのレベルに応じた測定方法があるというもので、その4つのレベルを要約すると次のようになる。

 

○ カークパトリックの4レベルフレームワークの要約

 

レベル1 リアクション(反応)  満足度
レベル2 ラーニング(学習力)  理解度
レベル3 ビヘイビア(行動変容)  スキル、コンピテンシーなど
レベル4 ビジネス・リザルト(結果)  生産性向上、CS向上など

 

 これを新人事制度の導入にあてはめて考えてみると次のようになる。

 

レベル1 リアクション(反応) 満足度
レベル2 リシンキング(意識改革) 浸透と意識改革
レベル3 ビヘイビア(行動変容) スキル、コンピテンシーなど
レベル4 ビジネス・リザルト(結果) 労働生産性向上、労働分配率

 

 具体的な測定方法として次のようなものが考えられる。

 

レベル1

 新制度導入後(1年後)に社員からアンケートを取る。

 
レベル2

 すぐに改善できる勤務態度の変化を観察する。発言内容の変化を観察する。外部から見た変化を聞く。

 

レベル3

 業務知識や技能のレベルアップの度合いを判断する。業務行動の変化を観察する。

 

レベル4

 労働生産性の変化を計算する。労働分配率の変化を計算する。定着率の変化を計算する。

 

(次回は調査結果を掲載します。)