人事考課制度の構築の前に | 人事評価のQ&A

人事考課制度の構築の前に

1.人事考課と処遇は別物

 

 人事考課と「処遇のため評価区分」と区別して考えることが必要である。

 

 人事考課は、部下の仕事ぶりや仕事の結果を考課し、よいところは認めて、さらに仕事に活用するようにし、いけない点は指導して、よい仕事をするように仕向けていくために行うものであり、処遇とは関係なく、管理監督者が当然行うべきことである。

 

 処遇のための評価区分とは、人事考課した結果を点数化し総合点を出して、その点数により、処遇上の評価段階を決める、ということである。

 

2.人事考課は管理監督者の当然の役割

 

 管理監督者の役割には
① 仕事の管理
② 部下の指導育成と管理
③ 職場方針の設定と浸透
などがあるが、人事考課を行うことで、これらの役割を全うすることができる。

 

 したがって、人事考課は、会社の業績を上げ、管理監督者の役割を全うするための「一つの管理ツール」であると考えることができる。

 

 人事考課がしっかりできないということは、管理監督者の役割を全うしていないことになる。

 

 まず、管理監督者がその役割をしっかり全うできるように、人事考課制度の構築と、運用のための訓練が必要である。

 

3.失敗しないために

 

 人事考課と「処遇のための評価区分」を切り離して考えることで、管理ツールである人事考課が機能するのであり、「処遇のための人事考課」を行っている限り、人事考課は機能しないことになる。

 

 人事考課は「処遇を決める点数付け」だけではないということを、再度認識する必要がある。