考課者の区分 | 人事評価のQ&A

考課者の区分

 人事考課者を誰にするか再検討しています。2次考課や3次考課をどうするか、自己評価は必要かなどです。現在は3次考課まで行っており、自己評価は行っていません。どのように考えるのが良いでしょうか。

 

 ご質問にお答えします。

 

● 自己評価について

 

 処遇に連動するかどうかは別にして「会社が何を求めているのか」をしっかり認識するためにも、自己評価は絶対必要です。評価項目や内容を見ることで自己反省を促すことができます。ぜひ自己評価を取り入れることをお勧めします。

 

 ただし、評価のルールや基準をしっかり教えないと、上司評価との差異が大きくなって、逆に混乱することがあります。

 

● 1次考課(上司評価

 

 1次考課については、指示命令を与える直属上司が行う必要があります。指示命令をし、指導責任がある人が評価して初めて意味があります。

 

 指導しない人や直接指示命令をしない人が評価しても意味がありません。逆に、直属上司を飛び越えて、評価する人に目を向けてしまいます。

 

 指示命令系統をしっかりさせるためにも、直属上司が責任を持って評価することが必要です。然、評価する人たちは、事前に、評価の考え方や考課基準、評価ルールを勉強しておく必要があります。

 

● 2次考課の意味

 

 直属上司のその上の上司が2次考課を行う例もありますが、これは直属上司の評価をルール通り行われているかどうかチェックする程度であり、やはり直属上司の評価を優先すべきです。

 

 1次考課者の評価を2次考課者が勝手に書き換えたり、2次評価の点数のみが処遇に反映するというようなことは絶対にしないようにします。1次考課重視を徹底します。

 

 このような考えからすると3次考課必要ないと思います。その代わりに評価決定会議を実施することをお勧めします。

 

● 評価決定会議

 

 3次考課を行うよりは、2次考課者のもとで1次考課者(評価をする直属上司)同士で、評価決定会議を行い、評価のすりあわせを行う方が効果的です。

 

 「誰々が5点だ4点だ」というすりあわせではなく、「誰々のこのような行動は4点に相当する、誰々のあのような行動は2点に該当する」という風に、事実に基づいた考課者の会議を行い、1次考課者同士ですり合わせることが必要です。こうすることで、評価に自信が持て、部下への評価のフィードバックも自信をもって行うことができます。

 

 最初はこの評価決定会議が絶対に必要です。ここで、喧々囂々(けんけんごうごう)と議論することで、自社の社員に対する期待像が明確になっていきます。これを怖がって避けてしまうと、形だけの評価になってしまいます。