日本の伝統文様にはこのように「〇〇尽くし」という形式の文様があります。
「桜尽くし」「実尽くし」「蝶尽くし」「宝尽くし」・・等々。
このように同じ目的や分類で括った事物を取り揃えて表した文様を『〇〇尽くし文様』と呼びます。
「尽くし」は、日本人独特の考え方で、事物を1テーマに絞って分類し、その全てを取り揃えてこの世を満たす富貴の吉祥を寿いでいます。
実際に文様として全てを描くのは不可能ですが、名前を『〇〇尽くし』とすることで、全てが揃っているという意味になります。
画像の「実尽くし」も実際の果実全種類を描いている訳ではないのですが、『尽くし』とう題名によって、「全てが描かれていることにする」という暗黙の了解の上に成り立つ文様です。
そして「尽くし」は文字通り「尽くす」からきた言葉で、意味としては「完結」や「極める」にも通じています。
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