文様に込められた、「祈りや願い」

 

         『犬張子文様』

 

 

犬は、沢山の子供を産む割にはお産がとても軽いため昔から安産と多産の象徴とされており、そのため、犬にあやかってお産が軽く済むようにという願いから、また、犬は他の動物よりも知性や忠義が強い事からそれにあやかって、賢く、常に真心を尽くす立派な子供として、無事健やかに成長するようにという願いも込めて、安産のお守りとして、また子供の成長を願うお守りとして、江戸時代には、生まれたばかりの赤ちゃんに犬張り子を贈るという習慣もありました。

 

現代でも受け継がれている日本の風習として、いわゆる安定期に入った頃の妊娠さん(5ヵ月の最初)の『戌(いぬ)の日』に行う安産祈願があります。
妊婦さんご本人やそのパートナー、ご両親が神社やお寺にお参りをし、出産が安産であるよう祈願する、という行事です。

 

犬張り子には魔除けや無病息災の意味も込められているとされています。

こういったことから、犬張子の文様は古来より子供の産着や妊婦さんの身の回り品に多用されてきました。

 

犬張子文様が入った物を妊婦さんへのプレゼントなどに選んで、一言意味を添え書きして送られたら、貰った方は嬉しいと思います。

 

文様に込められた、祈りや願い。
大切にしたいですね。

 

上の犬張子文様デザイン素材は、ここでダウンロードご購入いただけます。

 

伝統文様研究家 成願義夫