京都国立近代美術館で開催中の『世紀末ウィーンのグラフィック展』に行きました。
クリムトの作品集に見つけたこれらのデザインは、多分、日本の落款にインスパイアされていると思います。
クリムトが日本の芸術や工芸から多大な影響を受けていたことは有名ですね。
落款をサインとは別のアイコンとして捉えていたようです。

比較の為に上げた写真の落款は、鹿を描いている落款は歌川広重のものです。
作品毎にデザインを変えているのがクリムトらしいですね。

また、日本画の落款には画面を引き締める効果があり、クリムトもそのことに気づき、実験的に自身の作品の中にも落款のような四角を入れているものがあります。

縦に二つ並んでいるのは円山応挙で、クリムトが実験的に入れたと思われる四角の元かもしれません(笑)

落款が外国人アーティストの目にはどのように映っていたのか?
改めて考えさせられました。

 

伝統文様研究家 成願義夫