日本の伝統美のひとつ※『花結び』をご存知でしょうか?

花結びの基本は一本の紐で様々な形を表現するところにあります。
ある時、私は花結びを集録した本を見ていて、「これは高速道路のインターチェンジと同じだ」と直ぐに思いました。
花結びは、別の見方をすれば『一筆描きできる図形』であるとも言えます。
高速道路のインターチェンジは入り口と出口が必ず違う、一筆描きできる立体交差が基本でです。つまり構造上は花結びと同じです。

 


平安時代から続く日本の伝統文化と最先端道路設計の意外な共通点。
「ヒントは伝統文化にあり」ということでしょうか。
私が常々提唱している『伝統は未来の資源』、それが、ここでも立証された気がしました。

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※「花結びとは」
平安時代の王侯貴族達の硯箱や鏡などの調度品には、美しい房と花結びで彩られました。
貴族の女性達の一般教養として、和歌、文章、習字、絵画、音楽と並ぶ必須のものでした。
この頃の飾り結びは、主に房の付いた一本の紐を結んで様々な形を工夫しました。
工夫された結びには、一つ一つ名前がつけられています。
継承されるべき日本の伝統の『型』の一つです。

伝統文様研究家
成願 義夫