みなさんこんばんわ。
今日は改良の記事です。FT-991がオーバーヒートしにくくなります。
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FT-991はFBなリグでベストセラーを記録した機種です。
おそらく、往年の名機となることは確実だと思います。
が、しかしVUでFMハイパワー運用を連続で行うと、
エアフローはあまり良くないので、ファイナルが飛んで・・・
修理に出された局もあるかと思います。
「もうメーカーに修理に出したくない!」
「連続FMハイパワーに耐えうる仕様のリグにできないか?」
送信をなるべく控えて、間隔を空けるのが対策として有効なのですが、
コンテストで移動運用しているとそうもいかず、パワーを落とすしか無いのが現状です。
そこで、思い切って改良しました。
終段放熱の強化です。熱をヒートパイプで逃がす発想です。
FT-991のVUHF帯のファイナルには三菱の「RD70HUF2」という高性能なMOSFETが使われています。
ただ、放熱はシャーシに基板が押さえ付ける形でその間にMOSFETが挟まれてるだけのような気がします。
FMで50Wにて連続送信すると相当な発熱を伴い、場合によっては破損する恐れがあります。
これは、430MHz帯のコンテストではあり得る状態なのです。
今回の改良は、基本回路等はすべてそのままで変更しません。
又、基板等も分解しません。技適機種なので送受信等改造は許されません。
あくまで、終段冷却を補強する改良とお考えください。
従って下記の条件を満たす局にしかお勧めできません。
1.保証期間を経過していること。(保証期間内でも自己責任で今後保証を受けない)
2.VUHF帯においてFM最高出力を頻繁に送信する可能性があること。
3.電子工作などが好きで、根気があること(笑
メーカーの保証は受けられなくなりますし、あくまで自己責任の改良となります。
しかしうまく出来ると、ほぼオーバーヒートしないFT-991が誕生します。
これは移動運用やコンテストには非常に強力な武器となるものです。
では、改良手順です。
①まずは上半分の蓋からネジを外して開けていきます。
②スピーカーのついてるシャーシー蓋もネジを外してそっと開けます。
下記の画像は、ヒートパイプを通すイメージです。
○印の基板がVUHFのパワーユニット基板です。
下記画像がヒートパイプの配管イメージです。
これなら基板を分解せず、背面のスリットから銅棒を引き出すだけで改良が出来ます。
ヒートパイプの発想はパソコンの「CPUクーラー」から思いつきました。
CPUクーラーはヒートパイプからヒートシンクに熱伝導させてる物が多く、
同じようにしてみようというのが、今回の作業です。
③上記画像のヒートパイプには、ホームセンターで売ってる3mmの銅棒を使います。
これ以上の直径はダメです。背面のスリットに棒が通らなくなります。パイプは曲げに弱いので棒の方が良いと思います。
さらに、先端は圧着端子を用いています。3mmの単芯が通る物でしたら良いと思います。
④VUHFのパワーユニット基板の上に、絶縁シートを敷き詰めます。下記画像の右手の黒いシートの上に銅棒が通るイメージです。
これは必ず必要です。銅棒が各回路をショートさせ、すぐ基板がお釈迦になることくらいお分かりでしょう。
中央の白い はんぺん みたいな物が放熱ゴムです。4cmX4cmで厚さが12mmです。これを2個用います。
⑤上記放熱ゴムは、プニュプニュで基板密着性が高く、熱伝導の良いものです。
○印の裏側にVUHFのMOSFETが表装されているものと思われますから、そこをカバーするよう貼り付けます。
なぜ、基板も外してないのに位置が分かるかというと、既にこの機はメーカーにてファイナル・基板交換を受けています。
その際に冷却パッドをメーカーの方が補強していた箇所だからです。間違いないと思います。
メーカーさんもこの基板を横にシャーシに押し付けて、サイドにヒートシンクを付けた形にすると良かったのになぁと思いました。
⑥4cmX4cmの銅板をサンドイッチにして、ヒートパイプに熱伝導します。念のため、絶縁シートで当りそうな箇所は覆ってください。
銅板は「タフピッチ銅切板5mm厚 40mmX40mm」を注文しました。1000円ちょっとでした。
銅板が無いと熱伝導を行う上でうまくいきませんので、必ず使用します。
適度に重量もあり、熱を伝えてくれそうです。銅以外の金属では銀とか金が有用ですが高価なので銅が良いと思います。
このようなイメージです。この はんぺん のようなゴムが今回の必須アイテムです。
このゴムは絶縁物であり熱伝導性があり、電気回路に影響を与えません。
ちょうどシャーシ蓋と基板の間で、ゴムで銅板を挟み込む形になります。銅板は基板から浮いてはいけませんのでしっかりと挟んでください。
⑦上記、銅板に6mmの穴を開けます。穴の径は圧着端子の穴の径に合わせてください。今回はM6径なので6mmで開けます。
銅は柔らかいので5mm厚の銅板でも金属用ドリル針で簡単に穴が開きます。私は簡易ドリルスタンドを用い垂直に開けます。
圧着端子に銅棒をかしめて、M6のトラスネジ&ナットで銅板に締め付けます。
その際シリコングリスを圧着端子に塗って締め付けると良いと思います。ちょうど、CPUクーラー付ける際に、台座に塗るのと同じですね。
この方法以外に銅板に銅棒をハンダ付けする方法もありそうですが、銅板に熱が吸収されるため高出力の半田ごてが要りそうなのでやめました。
⑧上蓋に付けたヒートシンクは、パーツ屋で600円で売ってたのでそれを使いました。(笑 あまり小さい物はダメです。
角で怪我しやすいので、ヤスリで角を取って底に絶縁シートを貼って3mmのトラスネジで取り付けました。
3mmの銅棒をペンチで曲げ、うまく位置決めします。リグ背面には色んな端子がありますので、うまく避けて上方にもっていき、
圧着端子経由でM6トラスネジ&ナットでシリコングリス塗って締め付けます。
⑨今回は蓋開けたので、ついでにHF帯のMOSFET(RD100HHF)もヒートシンクを付けました。
パーツ屋で熱伝導両面テープ(下記画像の水色のシート)を買ってそれに適当な大きさのヒートシンクを付けました。
貼る前にアルコールかフラックスクリーナーでFET表面を綿棒で掃除してから貼ると良いでしょう。
主にHF帯はSSB運用ですので、問題は無いと思いますがこの際ついでです。
今回の改良は銅棒を使っていますので、絶縁には必ず気を配ってください。
完成すると熱伝導のおかげでファイナルを保護できる可能性が格段に高まります。
一度やってみる価値はあると思います。
ではでは~