ジェジュンor(カ)ジェシカ‐61~時を止めて① | ユノ&ジェジュン 妄想ブログ~I need to be in Love

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~愛がなければ生きていけない~
幸せのかたちはいろいろあるけれど…
そこには、必ず “ 愛 ” がある
人間(ひと)には必要不可欠なもの?
“ 愛 ” があればどんな困難も乗り越えられる?
そんな姿をユンジェで妄想しています♥

 

<Stars,Inc.>

 

ガラスの大きなドアを開けると

受付と書かれたプレートの横に

<御用のある方は呼び鈴を鳴らして下さい>

と書かれ張り紙があるから
つかさず、ボアは中指を中心に3本の指で押した

 

“チン”と可憐な音が鳴る

 

直ぐ人の気配がする方に向かってボアは大きな声を出した

 

『すみません、チョン・ユンホカメラマンが

 こちらの事務所にいるって聞いてきたんですけど?』

 

呼び鈴で受付に事務所から出てきた

ジュンスが驚いて声を上げる

 

「ボアさん?ボアさんじゃないですか?

 お久しぶりです」

 

『わぁ、ジュンス久しぶり、元気だった?

 ユノに会いたいんだけど、いる?

 今日の撮影、衣装の件で確認することがあって』

 

「そうでしたか、さっきまで今日撮った

 ネガを現像してたようなので

 今頃はチェックしてるんじゃないかな…」

 

『あぁーそうなの、ちょうどよかったわ

 私も急いできたんだけど、部屋はどこかしら?』

 

「奥の社長室の隣室です、ご案内しましょうか?」

 

『社長室ね?なら分かるわ、有難う♪』

 

 

🔶🔶🔶

 

 

現像室から出来上がったばかりの写真を机に並べながら

ユノはジェシカの写真を無心に凝視している

 

シャッターを切るユノが、描いた通りに表現する被写体だった

その出来栄えは、ユノが見惚れてしまうほど

やはり…似てる

 

「ジェジュン…」

 

 

〈へえ~~っ綺麗じゃん!〉

 

いつの間にか横にいた

ユチョンが写真の1枚を取ると

吐息交じりに感嘆の声を上げる

 

「ユチョン、勝手に入ってくるな」


ユノは、写真から目を離さないでいる

 

〈現像、終わったんだろう?

 ちゃんと、ノックはしたよ

 気づかないほど、これ(写真)見てたくせに〉

 

「………」

 

〈で、今日あっちのマネージャーと揉めたって?〉

 

机に目を落として無言のユノの顔を覗き込んできた

 

〈そっか、ふぅ~ん、ユノらしくないじゃんか?〉

 

擦り寄りながらユチョンが肩をぱんぱん叩いた

 

「からかうつもりなら出てけよ

 俺は今、忙しいんだ」

 

ユノは鋭い眼光を投げつける

直ぐ写真を照明へ照らしながら

ユチョンに背中を向けた

 

〈そんなんじゃないさ

 以前のお前なら、もめ事なんてなかっただろう?

 帰国してからのユノは変だって、ジュンス達も心配してる

 いったいどうしちゃたんだよ、ユノらしくないじゃん?〉

 

「…………」

 

〈ユノ、おい、ユノ、俺の話、聞いてるのか?〉

 

ユチョンが苛立ちの声を出した

それにようやく反応するかのように

 

「ユチョン、ジェシカをファインダーごしに覗いても

 俺の目には、ジェジュンに見える」

 

真剣な眼差しで、写真を見つめ呟くように言う

 

〈ユノ何言ってる?何に見えるって?〉

 

「いくら見ても、ジェジュンにしか見えない」

 

〈えっ!ジェジュンって

 あの、親父さんの形見を奪っていった?〉

 

「俺が預けたんだ」

 

〈ほんとかよ、挙句、自殺するかもしれないからって

 アメリカへはいけないと言い出すわ

 行ったら行ったで、何が何でも捜してくれーだろ

 お前、ずーっと心配してた

 でも1年前に捜すのは止めたんじゃ…?

 えー!じゃーお前、まだ諦めてなかったのか?〉

 

「あぁ…」

 

ユノが頷く

 

〈ほ~それは、それは〉

 

机から1枚写真をすくい取り

ユチョンがじっと眺める

 

〈このジェシカが――ふ~ん、これが

 お前を2年間悩ませ続けた、いわくつきのヤツだろう~?〉

 

ユノの鋭い眼光が飛んでくる

 

〈オ―こわ、どっからどう見たって女の子じゃん?〉

 

「本当に、似てるんだ、ジェジュンに」

 

〈ユノ、いくら顔が似てるって、このジェシカがか?

 俺には、キュートなモデルにしか見えないけどね〉

 

1枚の写真を照明にあてて、ユチョンがしきりに見上げる

 

〈ずっと捜してるのは知ってた

 ユノがそう思いたい気持ちも分からないわけじゃないが

 何がなんでも、それは無理があるんじゃねーの〉

 

「したんだよ!」

 

〈した?何をしたんだ?〉

 

「一瞬だが、癖みたいな仕草

 あれはジェジュンと同じだった…」

 

〈癖?癖なんか誰にでもあるし、同じ癖だってあるじゃんか

 お前が知ってるその癖=ヤツ(ジェジュン)だって

 ユノ、お前、断言できるのか?〉

 

「……」

 

〈証明できないだろう?あーソイツを思うあまり

 何が何でもみんなソイツに見えちまうんじゃないのか?

 たまたま…うん、蓋を開ければ偶然…かもよ?〉

 

「ユチョン、俺の眼を疑うのか?」

 

切れ長の目がユチョンを睨む

 

「何かある、きっと理由があるのかも知れない」

 

〈理由って、ソイツにどんな理由があるって言うんだ?〉

 

「わからない、わからないけど

 ジェジュンとジェシカにふたりに係わる何かが?」

 

〈う~ん、ユノ、お前さー

 逃げ出したヤツをそこまで思ってたのか?

 正直、親父さんの形見の腕時計は惜しいけどさ…

 俺はお前の為には消えてくれてよかった、と思ってるよ〉

 

「ユチョン!!」

 

ユノの怒声に

降参とばかりにユチョンは両手を掲げた

 

〈そう、本気で怒鳴るなって……まぁ、今だから言えるが

 アメリカとこっちと電話で聞ける話でもないだろう

 でぇ、お前たちはどれぐらいつき合ってたんだ?〉

 

「付き合ってた…?」

 

ユノがポツリと訊き返した

 

〈ああ、つき合ってたから、

 アメリカへも連れて行こうとしたんだろう?〉

 

「そうだな、数日だったが…すごく愛した

 大雨のせいで別荘から出られない

 そんな些細な理由を言い訳にして…

 俺は心が壊れかけてたジェジュンを抱いた」

 

〈―――へえ?〉

 

ユチョンが素っ頓狂な声を上げかけたが…

ユノの表情が余りにも真剣で慌てて口を押えた

 

〈そ、それで…どうしたんだ?〉

 

「死ばかり望むジェジュンに、愛される喜びを知ってほしくて…

 俺のそんな思いが伝わればと祈りながら―――何度も抱いた

 ジェジュンもそれを受け入れてくれていた

 そんな時、ユチョン、お前からの電話だ

 俺たちの話を聞いて、ジェジュンは部屋を飛び出した」

 

〈聞いたって何をだ?〉

 

「アメリカ…行き、まだ話してなかった」

 

〈オーマイガー!〉


「また死を選ぶんじゃないかと恐ろしかったんだ!

 この世に引き止めたかった

 ジェジュンをひとりにできない!!」

 

〈ユノ…〉

 

「俺はジェジュンを失うと思うと怖くなった

 必死だった」

 

〈…それで一緒にアメリカへ?

 そうか…そう、まぁ、あれだな、ユノがそう思い込んでも

 残念だが身体を合わせるだけじゃ、伝わらないこともある

 その気持ち、ちゃんとソイツに伝えたのか?〉

 

「ああ、アイビーに誓った」

 

〈アイビー?アイビーっ?あれ、あの葉っぱ?〉

 

ユチョンがつかさず窓際に置かれた鉢植えを指した

 

〈ヒュー、ロマンチスト、驚いたな

 ユノ、お前にそんな一面があるなんて〉

 

「茶化すなよ、ただ…俺は必死だっただけ

 ジェジュンとなら慣れるんじゃないかと心底思えた」

 

〈でぇ、同意したのか?〉

 

「わからない?」

 

〈なぜ?まさか、聞かなかったのか?〉

 

「そんなことは、どうでも良かったんだ

 人は自分の都合のいいように判断するだろう?

 だから、今となってはわからない

 俺は愛した…それだけだ」