E-Quest Company
Play & Commentary vol.1
『料理昇降機』
1月23日のステージは、終了いたしました!!
本当に、ありがとうございました!!
・・・正直。
『料理昇降機』、まだまだ、謎の多い作品だと思います。
15時の回のコメンタリーで、角川さんがおっしゃっていましたが。
「この作品、たくさん撒かれた伏線が回収されずに終わる」
回収されなきゃ伏線とは言えない・・・
文字どおりで言うと、伏線とはそういうものなんですが。
これ、考え方を変えると、
「撒かれた伏線は、お客様お一人お一人が、好きな方法で回収して良い」
・・・その回収方法で、作品の内容すらガラっと変わってしまう。
その自由……
芸術の楽しみ方って。
回収方法の自由も。
それによって作品の印象や解釈が変わったとしても、その印象や解釈を決める自由すらも委ねられ、許されているのですね。
例えば、舞台を作る俳優の側としても。
演出家のビジョンに縛り付けられ。
俳優から自然に出てきた演技やセリフの言い回し、感情を演出家から否定されて。
客観的なセリフのテンポや言い方ばかりを指定されたり。。。
そんな、がんじがらめの稽古場も、たくさん存在します。
エンターテイメントとしては、当然、そういう作業に特化した作品もアリだと思うのですが。
正直、それは、CGアニメの映画でやれば良い世界だと思うんですね。
演出家の、
「こんな動き、表情、セリフの言い回しを、そのまま形にしたい。」
それが最優先なら、人間を使わずに、CGアニメで表現したほうが、そのキャラクターは言うことを聞いてくれると思うんです。
でも。
そうした作品の多くは、客観的に「どう受け取られるか」ばかりを最優先にしているので、想像力の自由の幅や懐の深さが、どうしても、浅い。
千差万別の思考、想像力を持つ人間同士が生きるこの社会で。
どんな結果になるかわからない、人間同士の化学反応を楽しみながら作品を作り。
それが観客の心に届いた時、さらなる化学反応が起こって、作品の印象や解釈は無限大に広がっていく・・・
僕は、そんな「芸術」の懐の深さが、大好きなんです。
伏線を、好きに回収して構わない。
作品を、どう捉えても構わない。
もちろん、それは、俳優の演技を通して観客の皆様に届けられます。
でも、演技は。
皆様が作品をどう捉えるかの、後押しでしかないんです。
演技は、そこまでの仕事で良い。
俳優の仕事は、そこまでに止める方が面白い。
観客の皆様が同じ理解をするために、必要以上に説明的な演技を展開するのではなく。
俳優は俳優としてきちんと何かを胸に抱いて。
それだけを頼りに、皆様に作品を手渡してゆく。
もちろん、俳優の中に何もないと、お客様も何も想像できないですけれど。
「何か」さえあれば、人間はそれに共鳴して、受け取る側も自分なりの「何か」を思い起こしてくれる。
・・・それって、人間のコミュニケーションの、根本的な機能でもありますからね。
普段の生活で、コトバや仕草は、そんなに雄弁ではありません。
互いに、相手が説明しきれていない胸の内、言葉と言葉の行間を想像し合いながら、人間のコミュニケーションはなされていく・・・
一方で。
まぁ、確かに、舞台の作品作りに関しては。
テキスト(台本…つまり、「言葉」)に書かれてないからと言って、行間には何も手をつけずに舞台上に乗せる、というのは、確かにちょっと乱暴すぎる感じはあります。
できることなら、台本上で回収されない伏線は、多少なりとも演出的な「補助線」を入れてあげて。
演出の中で回収してから、お客さんに手渡す。
それも一つの方法だと思いますし、僕も、演出を手掛ける中で、もう少しその作業ができるようになるといいな、と思っています。
今回の『料理昇降機』で、その作業がどこまでできたか・・・
正直なところ、自分自身としては、その部分、まだまだ未熟に感じているんですけどね。
とにもかくにも。
今回、「vol.1」として立ち上げた、EQCの企画。
「説明されない部分は、受け取り側で自由に作り出して良い」
という僕の考え方を、皆様と共有するための企画としては、大成功だったと思っています。
というのも、この考え方。
知っているのと知らないのとでは、芸術を楽しめる幅が大きく違ってくると思うんです。
豊かになれる幅が大きく違ってきます。
「これじゃ、分からないよ。つまらない!!」
と捉えるのか。
「自分だったら、この行間をこう埋めるな。そしたら、なんだか感動した!!」
と捉えるのか。
そこに、正解・不正解はありません。
今回の『料理昇降機』は・・・
まぁ、その自由を持って挑んでも、「分からない」部分がとても大きい作品。
でも、それはそれで良いのかもしれませんね。
「分からないな、ちょっと考えてみようかな」
それだけでも、自分自身の中の「芸術への積極性」を育てることができると思っています。
「芸術への積極性」って。
つまりは、「想像力の積極性」。
想像力を、積極的に使っていける、チカラ。
それを養っていけば。
例えば、日常生活の中で、相手の気持ちを推し量る想像力も、上がってくると思います。
「こんな言い方をしたら、相手は傷つくかな?」
「これをやったら、相手はどんな気持ちになるのだろう??」
そんな、日々のちょっとした思いだったり。
「傷ついた相手の心」
「辛く苦しい世界に生きている人たちへの、思いやり」
やがては。
核兵器のボタンを押す時、その向こうで涙を流す人達の心。
そんなことへの、想像力。
・・・これって。
反戦家であり、ノーベル平和賞を受賞した『料理昇降機』の作家、ハロルド・ピンター。
政治的な作品の多数残しているこの作家が、戯曲などを通して表現したかったことにも通じているんですよね。。。
想像力。
人間だけに与えられた、神様からの贈り物。
でもそれは、裏を返せば。
想像力をしっかり使って生きていかなくては、相手をどこまでも傷つけることができてしまう。
人間とは、それだけの残虐性を持つ生き物。
だから、想像力は。
神様が人間に備え付けた、絶対に必要な安全装置なのかもしれません。
以下、2017年序盤の出演情報!!
『料理昇降機』稽古場動画や、谷口浩久LINE@も。
詳細は、各項目をご覧ください
よろしくお願いします!!
出演情報
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「Robert Tobias」
(ロバート・トバイアス 1st Performance)
真に心の動くパフォーマンスを目指して。
歌と演劇の可能性と、表現の真髄を目指して結成したユニット。
今回は、二人が出会った『貴婦人の訪問』を、新たな解釈でお届け!!
そのほかにも、心を込めてお贈りするパフォーマンスの数々をご用意。
豪華ゲストとの競演も、お楽しみに!!
出演 港幸樹/谷口浩久
ゲスト:飯野めぐみ/榎本成志/清水泰雄
2月5日(日) 14:00/18:30
高円寺・Studio K(1F・Studio 3)
チケット 5,000円
ご予約は、
rob.tob.info@gmail.com
または、
「Robert Tobias」ホームページ
の予約フォームで、
件名「チケット予約」と明記の上、お名前、ご希望の回、枚数を送信してください。
予約確認のメールを返信いたします。
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ミュージカル座
『トラブルショー』
2月23日(木)〜2月27日(月)
IMAホール(光が丘)
SS席 8,000円 S席 7,000円 A席 6,000円
スケジュール:2/23 18:30
2/24 18:30
2/25 12:30/17:30
2/26 12:30
2/27 12:30
※月・星組ともに出演いたします。
なんと…約10年前に演じた「玉木太郎」役を、再び演じます!!
夢に向かってまっしぐらの、若き演出助手の役。
あれからずいぶん歳を重ねた僕なのに、そんなのってアリ!?
…いえいえ、この舞台では、どんなことでも起こり得るんです
ただし、お約束の「トラブル」付きで
抱腹絶倒の、ハチャメチャ・ミュージカル・コメディ
チケットご予約は、こちら。
(谷口浩久が運営する団体「イークエスト カンパニー」のHP(「ticket」のページ)にて承っております。)
※3歳以下のお子様のご入場はできません。
※お取替え・キャンセルはできません。また、公演当日にチケットお持ちでない場合は、理由に関わらずご入場できませんので、紛失・焼失・破損などがないようご注意下さい。
※出演者並びにスケジュールに変更がありました場合には、何卒悪しからずご了承下さい。出演者変更の場合でも、他日への変更、払い戻しはいたしかねます。
お問い合わせ: j.j.hirohisa@gmail.com(谷口浩久)
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