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1969年、アメリカ・NASA。1960年代中に月面へ有人着陸と宣言したケネディ大統領の言葉を実現すべく、奮闘する発射責任者コール。アポロ1号の事故やベトナム戦争中ということもあり、資金的に苦しいアポロ計画の雲行きは怪しい。やり手のマーケター・ケリーは政府の人間モーに呼び出される。過去の犯罪歴をネタに脅され、計画の成功と月面着陸映像を制作するよう依頼される。

 

 

フィクション。面白かった。笑えるし、それなりにNASAへのリスペクトも感じられるし、きちっとまとまっている。アポロ11号の有人月面着陸の映像はフェイクだったという陰謀論を逆手に取った脚本で基本コメディドラマ。軽〜く気持ち良く見れるのが高得点。コールのモデルはドナルド・スレイトンとされてるようだ。

 

 

コールは真面目人間だがアポロ1号の事故の責任を感じている。心疾患が元で宇宙飛行士の選抜から漏れ、地上でアポロ11号を無事に月に送るために奮闘している。話術と美貌を武器に敵を味方につけ企業を次々にスポンサーにしていくケリーを嫌っている。

 

 

月面着陸ではソ連に遅れをとった米国政府は、もしもの保険として月面着陸成功のフェイク映像を作ることに。ケリーはコールに内緒で映画監督を呼び、倉庫に月面を再現する。情報を盗み、月面着陸したシーンを再現するための準備は整ったが、ケリーは嘘をつき続けることに耐えきれなくなる。

 

 

フェイク映像がお茶の間に流れるのをNASA職員が阻止できるのかというドキドキ感が、さらに大きな山場に繋がっていくのが上手いし、安心して見ていられる。箒を持つテイタムや黒猫ちゃんの活躍など、嫌味の無い笑いどころがセンス良き。