ネトフリ

 

 

末弟イディールを殺された兄アブダル。発覚した映像から加害者は警官たちであることがわかる。フランス軍人でもあるアブダルが会見した会場で三男カリムが火炎瓶を投げ付ける。そこから大規模な暴動に発展し

 

 

2022年のバンリュー映画。これ、途中まで観て忘れてて、バティモン5で思い出して、ちゃんと観た。ラジ・リ監督が脚本に参加している本作を監督したロマン・ガヴラス氏、MVが評価されててヴァンサン・カッセルやイザベル・アジャーニで映画を撮ってるひとなのだが。

 

 

各キャラクターの長回しや引きの絵がガンギマッており、IMAXカメラを多様、CGに頼らない体育会系ムービー。冒頭11分の長回しがヤベェのだが、このメイキングを見てほしい。

 

 

緊迫する車内のシーン→疾走する車を外から捉えるシーンに変わってるんだけどあまりにもスムーズなので2台のカメラで合成かと思いきや、実は同じカメラをサクッと車内から車外へ手渡ししている…落としたら…怖すぎる。

 

 

いわゆる復讐劇なのでギリシャ悲劇っぽい。その地を表すタイトルと内容がリンクする。が、これもバンリューもので一応フィクション。ドッカンドッカンやって派手なわりに、キャラクター心理が抑えめにわかりやすく描写されておりバランスが良い。群像劇的な作りも好き。

 

 

四男の復讐に燃える三男カリム。警察と住民の板挟みで苦悩するアブダル。愛する弟カリムを失った時(ここヤバい)、次男アブダルの保っていた糸がぷっつり切れ、カリムの抱えていたやるせなさと怒りはそのままアブダルへシフトする。長兄を殴殺したイケメンアブダルの顔演技が見もの。

 

 

絵面的に地味なバティモン5より、派手なシーンが多い今作のほうが配信より劇場映えすると思うんだよね〜。日本ではあまり話題にもなってないので観てほしい一作。ラストシーン(タトゥーね)でまたさらに唸らされた。