ディズニー+(全10話)。

 

 

安針に2度命を救われた虎永は彼を旗本として召し抱え、屋敷を与える。藤の方を正室として与え、通詞として鞠子を一緒に住まわせる。そんななか、身を挺して虎永を生かした文太郎が帰還。文太郎は鞠子と安針の仲を疑う。五大老の職を辞した虎永は追い詰められ、異母弟を頼るが裏切られる。大阪城では太閤の遺児を守る落葉の方がなかなか虎永にとどめをさせない石堂を煽る。事態は改善せず、虎永は息子や忠臣を失っていくが

 

 

いやーーー、すごかったーーー。セットや特に衣装、小道具に考証とか手間ひまとか金とかかかってるなーっていうのは最初から分かってたのだが、キャラクター造形と脚本(脚色)が視聴者に忖度してないのがすごい。窮地に陥っても助かるとか、ヒーローはかっこいいとか、敵同士だったけど仲直りするとか、ダメな若者の成長物語とか、いやな奴は死ぬとか、そういうエンタメ的ご都合主義がいっさい排除されている潔さがすごい。さまざまな侍を次々と死なせることで「生き死に」には理由や目的があるという戦国時代の日本人の哲学めいた思考を叩き込まれる。

 

 

んで侍だけでなくその妻や、側室、遊女たちのアンサンブルだね。彼女たちの存在の圧がすごい。このドラマの価値はむしろそこじゃないかな。ポリコレじゃなくて彼女たちの創作上でのリアリティが作品を下支えしている。搾取されるだけでなく、それでも生かされる意味とか。死ぬタイミングも自由にならない。そしてその苦しみを彼女たちの静かな言動と秘めた嘆きを通して伝えてくる。藤の方も含め特に安針を教育する鞠子と石堂を操作する落葉の方。この三人がドラマの緊張感を持続させている。鞠子はたぶんなんかの賞にノミネートされるのではないかな。

 

 

最終エピソードはまとめにかかった話なので、いちばん面白かったのはepi8、epi9かな。ゲースロと比較されるSHOGUNだけど、全体的に無慈悲で、暗くて湿ってて、騙し合いとか殺し合いとかそこに信徒がシャシャッてくるあたり、私は「ヴァイキング」を思い出したかな。観れる環境にあるひとには観て欲しいなぁ。日本のチャンバラ映画や大河ドラマとはちょっと違う作品だと思う。S2、できなくはないだろうけど、クオリティを下げて欲しくないので企画しないで欲しい。