グラシネIMAXレーザーGT

 

 

1959年、商務長官任命を目前に控えたストローズ。公聴会で5年前に公職追放となったオッペンハイマーについて意見を求められる。イラつきながらもストローズは当時のことを回想する。

 

 

1925年、飛び級首席でハーバード大学を卒業したオッペンハイマーは渡英、ケンブリッジ大学の研究室に在籍し、鬱状態に。授業で実験を失敗したオッペンハイマーは主任指導官パトリック・ブラケットの叱責に耐えかね彼のデスクの上の林檎に青酸カリを仕込む。

 

 

いや〜〜〜〜、予想の斜め上をいく面白さ。原爆の父と言われたオッペンハイマーの伝記映画、ヒューマンドラマでスリラー風味もある。エンタメ大作では無いので世界観に浸かるためにもIMAXで観る必要はあるかと。3時間の尺だがあっという間の体感90分。

 

 

ロスアラモス国立研究所所長になったオッピーがこじらせた人間関係が、1954年の公職追放の遠因になるという分かりやすい脚本となっている。ストローズもかなり性格悪いけど、オッピーもひどい態度をとったりしてる。

 

 

毒殺未遂や女たらしとか赤ん坊を友達に預けるとか大統領に「泣き虫」って嫌われるとか、そのあたりは原作にもあって、キリアンが演じると鬼気迫るというより、なんかもう天才ゆえにこれからどうなるか分かっててもどうにもならない「業」を背負ってしまった感があってしんどいよな。

 

 

私の祖母は疎開した先の長崎でちょうど被爆するというタイミングの悪さで、でも私の母を産んで育てて68歳で亡くなった。もちろんこの映画を被爆国民として批判することもできる。が、日本だって他国に悪いことしてきたわけだし、米国側から原爆を見た映画を被害的に語るのは今回はちょっと的外れな気がするし、少なくともこの映画は反核・反戦映画だと思う。

 

 

俳優が豪華なので、その辺りをご紹介しておきます。オッピーにキリアン、ストローズにRDJ、バークレー校時代の恋人ジーンにピューちゃん、グローヴス将軍にデイモン、「夫をいじめる奴は許さねぇ」キティをエミリー・ブラント、やり手の科学者ローレンスにジョシュ・ハートネット、

 

 

オッピーを尋問する諜報部部長にケイシー・アフレック、日本に原爆を落とすことに反対する男ヒルにラミ・マレック、オッピーが敬愛する科学者ボーアにケネス・ブラナー、水爆の父にベニー・サフディー、

 

 

グローヴスの部下にデイン・デハーン、ドイツの原爆開発者ハイゼンベルクにマディアス・シュバイクホファー、マンハッタン計画に参加するリチャード・ファインマンにジャック・クエイド、聴聞会でフンフン話を聞く偉い人にトニー・ゴールドウィン、トルーマン大統領にゲイリー・オールドマン…

 

 

…このあたり抑えておけば、かなり気負わずに見れるはず。スカルスガルド真ん中のにいちゃんが出てるはずなんだけど、多分、マンハッタン計画に参加してる一人だと思うのだがドラマ「ヴァイキング」のあのヘアスタイルじゃないと判別がつかない。

 

 

サウンドはDUNE2のほうが腹にずしーんときたかな。IMAX最大の画面の割合はかなり多かった。一緒に見た夫は90点だそうです、とりあえず私は、もう一回観たいっす〜。そしてオッペンハイマーといえば思い出すのがSTINGのこの曲。

 

 

 

しかしめっちゃ暑いので帰りにH&Mで599円の半袖Tシャツを買ってもらって着て帰った。