ネトフリ

 

 

チェコの宇宙探査機。地球を出て半年、ヤクブは船長として単身チョプラ星雲に辿り着き、サンプルを採取するミッションを成し遂げようとしていた。故郷では妻レンカが出産を控えていたが、なぜかヤクブと話したがらず。不安になっていたヤクブだったが、宇宙船内であるものと遭遇してしまう。

 

 

アダム・サンドラーのSFヒューマンドラマ映画(チェコスロバキアの社会的背景についてもちょろっと…)。最近ネトフリとの仕事が充実しておるサンドラー氏。仕事一徹な夫に三行半を突きつけようとする妻レンカにキャリー・マリガン。宇宙船に潜んでいたエイリアンの声をポール・ダノ。

 

 

ヤクブは孤独の中、作業をするうちに巨大蜘蛛のモンスターと遭遇する。驚愕して船内を消毒するがそいつには効かない(その消毒薬を使うにも名称を連呼して動画に残さねばならない徹底っぷり)。

 

 

そのエイリアンはどうやら高い知能の持ち主であるようす。故郷で仲間を失ったと説明する巨大蜘蛛にヤクブは「ハヌーシュ」と名前をつける。広大な宇宙にふたり(?)きりで、哲学めいた話をしつつ、だんだんと距離を詰めていくことになるが。

 

 

最初はグロテスクな見かけがほんとに怖いハヌーシュなのだが、身体的接触は禁止とか、穏やかで知的でときにはグサっとくるトークとか、ヘーゼルナッツスプレッドが好きとか、ジェントルなキャラクターなお陰で、ヤクブと同様、観てるワシらもだんだん彼(??)のことが好きになってくる。

 

 

ふたり(???)がハグし合う姿は本編でポツリポツリと出現するキャリー・マリガンとのツーショットよりよっぽどエモくてそしてキモくて、なんだか泣き笑いしてしまった。

 

 

プンスカ怒ってる妻レンカ役キャリー・マリガンのキャラクターはちょっと「マエストロ」での役に被るとこもあるんだけど(音楽が宇宙になったというか、でもヤクブは浮気してませんので)。赤い髪に冠被ってるレンカはメッチャ可愛かったなー。

 

 

まぁ、地味っちゃー地味なんですけど。登場人物が少ないので舞台にしてもいいかも。くたびれた感を醸すセットと色味で、古のSF小説のような世界観が出ているのが好き。監督は「チェルノブイリ」のヨハン・レンク。全体的に起伏がなく静かなので、大人のためのお伽話のような印象も。世間的な評価は低いが、私にはストライクゾーンでした。