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2018年、アフガニスタン。ジョン・キンリー曹長はタリバンの武器工場の発見・排除の任務についていた。殺された通訳の代わりにアーメッドという通訳が入ってくる。情報を得て現場に向かうが、大勢のタリバン兵に囲まれ、部下は全滅。120キロ先にある米軍基地までアーメッドと共に向かったキンリーはその途中、重傷を負ってしまう。

 

 

職場で「emi主任が好きなやつだよ」と言われて楽しみにしていたガイリチの戦争映画。「笑い」はほぼなく、ヘビーなバディムービー&ロードムービーが展開される。「ローンサバイバー」など高品質なミリタリー映画を思わせる出来でガイリチ作品の軽妙さは概ね封印されている。

 

 

キンリーとアーメッドの、アメリカ政府と通訳の困難な約束が果たされるさまを美談風にまとめており、プロバガンダ作品といえなくもないが、実は果たされなかった約束についての映画でもあることはエンドロール以降に示される。そのあたりがガイリチらしい皮肉っぽさを感じる。

 

 

JGHがただのヒーローだったらこんなにズシンとこないし、複雑な感想を持たなかっただろうな。やはり、アーメッドの諦めない精神力と途方に暮れた男泣きがグサーっと刺さる。そこを手抜きなく描いてくれたおかげでアーメッドの行為を「恩」とも「呪い」とも感じて病んでいくキンリーの荒みっぷりもリアルに感じられるのだ。

 

 

そして「天使」を放ったパーカーな。The Boysのホームランダー(アントニー・スター)なので、どうにもイマイチ信用できなかったのだが、最後は全部持っていきつつ、「キンリーを救ったアーメッドだから」と豹変するあたり、彼の国らしいカラッとしたいやらしさが漂っていて、ここにも英国監督っぽさを感じたのだが私だけだろうか。

 

 

あと役者陣でいうとアレキサンダー・ルドウィグが出てたな。内勤でキンリーとイチャイチャ軽口叩き合ってて最高オブ最高。ありがとうございますー。