ネトフリ。
1978年、イタリア。映画の撮影現場で助手として働いていたエネアは野次馬のひとりピエトロと視線を交わす。その少しあと、映画館で互いに客として出会ったエネアとピエトロは恋に落ちる。
ノーマークだったが、出てきたので観てみた。去年の11月に配信された作品。1978年、1988年、1993年、2015年…とエネアとピエトロの人生を追っていくラブストーリー。
ハッテンバでもある映画館で出会ったふたりは両思いになるも、街で起こったデモのために再会できず年月が経つ。エネアは映画監督に、ピエトロは医師に。
二人がすれ違いながら想いを静かに抱き続けるのが今作の見どころ。好きだから一緒にるというシンプルな選択ができない。大人になるってこういうことだよね。
主役ふたりの少女漫画さながらのハンサムっぷりはともかく、エネアのパートナー(男性)や親友(女性)、ピエトロの妻、映画館の受付嬢ティッティなど脇役に子供っぽいイヤな性格のキャラクターがいないのもとても良かった。
音楽とファッション、独特の映像でスーッと70年代に入っていける。イタリア映画の騒がしさが感じられないしっとりしたビターなドラマ。が、濡れ場があるし、ボカシなしのフルオープンなショットもあるので、観る方はお気をつけなさって。