ヒュートラ渋谷。

 

 

生態系が破壊された地球。ドローンと共に湿地帯で食糧となる植物を探して歩くヴェスパー。ヴェスパーは森の中で倒れている女性を発見する。ヴェスパーは寝たきりの父と住む小屋に彼女を連れて帰るが…。

 

 

かなり手の込んだ近未来ファンタジードラマ。未体験ゾーンというか、シッチェスっぽい。宮崎駿の世界観を実写化したかのような摩訶不思議な生物やアイテムなどのデザインが凝っている。

 

 

富裕層の人間たちはシタデルという安全な区域で暮らし、下層の者たちは荒廃した土地に住む。シタデルから寄越されるタネをもとに食糧となる植物を育てている。ヴェスパーはなんとかしてシタデルに行きたいと野望を持つ。

 

 

タネはあらかじめ遺伝子操作されており、次世代に繋ぐことはできない。そのため、タネを求める彼らはシタデルの支配下に置かれている。詳しく説明されなかったけど、タネの対価はヴェスパーの叔父が集めている人間の血液なのかな。

 

 

ジャグと言われる人造人間が人間の下働きをしている。知性を持つジャグは製造を禁じられている。ジャグを生かすも殺すも持ち主である人間次第だが、彼らは痛みを感じないらしい。人間そっくりだが、背中に短いチャックみたいのがあるので、それで判別できる。

 

 

ヴェスパーのパパがドローンとしてフワフワと彼女を見守るように付きまとうのがキュート。気切しているパパは娘が作ったのだろう手作り経管栄養キットで生かされている。パパを延命させるのに必死のヴェスパー。パパがいなくなったら一人っきりになっちゃうからね。

 

 

いろいろ細かいルールがあるのだがほとんど映像で説明されるため、難なく世界観に入り込める。搾取・格差、性暴力、敗戦国、家族、親離れ、いろんなテーマを含む作品ではあるが、それらは脇に置いておいて、ガール・ミーツ・ガールの話でもある。色々回収しきれてないので、続編が見たいところだが…。