ネトフリ。

 

 

近未来・ロンドン。不法占拠されている団地ザ・キッチンに住む孤独な男イジー。彼は葬儀会社ライフ・アフター・ライフに勤め、営業成績を上げ、単身者用の住宅を合法的に手に入れようとしていた。そんな中で知人だった女性の葬儀に出くわす。残された一人息子ベンジーのことが気になるイジーだったが…。

 

 

観るべきリストの配信作品。SFなんだけど、どちらかというと社会派ヒューマンドラマかな。舞台はロンドンなのだが、一時期流行ったバンリューものっぽい。そして、今作の脚本と共同監督は聞いてくださいよ、ななんとダニエル・カルーヤだよ! ブラパン、ノープ、ゲット・アウトのダニエルっす! 多分初監督作品なのでは?

 

 

一匹狼で馴れ合わない男イジー。警察のドローンに監視され、頻繁に警察の手入れを受ける団地。朝一番に団地のDJキッチナーがレコードを掛け流しながら住民を鼓舞するアナログなアプローチが絶妙な雰囲気を醸す。キュートな置き物や女子の髪飾り、衣装やクラブシーンやCGの夜景など、オシャレ。

 

 

優しさだけでも暴力だけでも階級格差は無くならない。あるあるな設定だが、イジーの心の動きが役者の抑えめの演技から伝わってくる。そして希望と絶望が交錯するラストシーン。この辺りはラジ・リ監督の「レ・ミゼラブル」をちょっと思い出したな。軽やかだけどヘビーな一作。