イオンシネマ。

 

 

TWAでパイロットをしているシール。あるとき葉巻を違法に持ち込んでいるのを見咎められCIAに協力をせざるを得なくなる。与えられた仕事は中南米のゲリラ基地の空撮。そのうちノリエガ将軍や後のメデジンカルテルの取引きにまで関わるようになり…。

 

 

邦題は正しくなく、どちらかと言えばアメリカ政府に「嵌められた」男の話で、パイロットとしての能力を買われ、流れに任せて仕事を引き受け、結果儲かったんだけど黒い金は黒いわけで…という話。

 

 

TWAやらKFCやら実在する大手企業の実名がでちゃってるし、シールを捕らえるためにDEA(麻薬)とATF(これは火器だね)と州警察(どの罪? 全部?)が三竦みになったシーンには笑った。シールがいろんな罪を犯してるからどれがどの管轄なのか…だって密入国も携わってるもんね。やりすぎだよ…。そして車の代わりに飛行機でのチェイスがあるのだがそれがめずらしくて面白いし、短い滑走路でギリギリ飛び立つシーンはかなりドキドキさせてくれた。

 

 

実話ベースとはいえ1人称のビデオのシーンが入るし、家族愛をクローズアップしてシールのナイスガイぷりをアピールしたり(実際は二度結婚している)、関わる仕事仲間や密売人たちの描写もどことなくコミカルに演出していてピカレスク作品といった趣もある。アメリカに都合良く使われた悲劇の男でもある彼を、巻き込まれ感たっぷりで嫌み無く演じることができるのは、やはりトムクルだからだろうねー。ほかのひとがやったら彼の最期に「可哀想」とは思えなかったかも。まぁ、トムクルでパイロットといえば「トップガン2」が実現するなら楽しみではある。

 

 

キャスティングは観てから知ったのだが、シールに接触するCIA職員になにげなくドーナル・グリーソンが!!! どうしようもない不出来の義理の弟にケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。彼はこういう役も上手いんだねぇ。