連載性春小説  碧いラフレシアの花 -9ページ目

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


春が来た。


愛がない真帆の上にも春が来た。


漫画を描きながら外を見たら

満開の桜だった。


アシスタントが真帆が急に泣き出したのでうろたえた。


「先生大丈夫ですか?どうしたんですか?」





愛があった春もあるんだよ・・・


真帆は昔を思い出していた。


もう31歳なのに昔を思い出していた。



ずっとずっと昔を思い出していた。



涙で視界がぼやけて

うっすらと桜色になった。





そのあと差し込むような痛みを

心臓に感じた。


真帆の自伝漫画は売れた。

売れているのに真帆はまた自分が拒食症になっているのに気が付いた。






夜も眠れず白々と空があけるのを見た。




また今日が来てしまった。


何かが真帆を苦しめた。





覚せい剤で捕まった後の復帰作は良いペースで売れている。


連載中止の「TAKUTOのハートに火をつけて」も世間が許したころに再連載できるかもしれない。


まだ売り上げはいい。


それでも真帆は鉛筆を削るように自分が少しずつなくなっていく気がして怖かった。