「しんちゃん助けて。TAKAと別れたくない。」
真帆が机に伏しておいおい泣き出した。
しんちゃんは真帆を呆然として見た。
よくよく見れるとぞっとするくらい細かった。
アンデスのミイラみてえだな・・・とふとしんちゃんは思った。
「しんちゃん、覚えてる?TAKAのメジャーデビュー記念ライブで私が浮気したのをTAKAに責められた事?」
「お・・覚えてますよ。」
「あの後、TAKAが許してくれて・・戻ってきてくれないか?って言ってくれたの。ねえ、またよりが戻るかなぁ・・?」
「いや、お子さんがいるからそんなに簡単には別れないと思うけれど・・。でもほかにお母さんの借金とかで悩んでいたみたいですよ。」
「そうだよね?そうだよね?実は家に郵送でTAKAのハンコだけ押した離婚届けが送られてきたの。どうしよう。」
「ああ・・・、それはKENちゃんだけの問題じゃないと思いますよ。借金で迷惑かけたくないから離婚したいんじゃないかな?」
「いやだ。貧乏でもいい。TAKAがいない人生だったら死ぬ。」
しんちゃんはぞっとした。
真帆の体を見て時間の問題で真帆はゆるやかに自殺していくと思った。
しんちゃんは何となくTAKAは真帆の元には戻らないだろうと思った。
19歳の時の真帆にあった敗者復活戦が
もう30歳のこんな真帆にはあるとは思えなかった。
若い時の真帆はTAKAに捨てられてもKENちゃんが救済したが
もう今の真帆ではKENちゃんも関わりたくなくて逃げるのだろうな・・としんちゃんは思った。
この人は独りぼっちになるとしんちゃんは真帆を見て思った。
そして肉体とともに真帆が小さく完全に消えていくような気がした。