「訳ありだっていいじゃないか。そんな絵にかいたような家庭ばかりじゃないよ。青木君は子供がいるからいいじゃない。僕は妻子は一生無理だ。」
中村さんが諭すように言った。
KENちゃんは何も答えなかった。
22歳の時メジャーデビューした夜と34歳でインディー引退した夜はあまりにも違った。
「でも時々子供なんかいなければもっと楽に生きれたのに・・って思う。子供には悪いけど。」
KENちゃんが小さい声で言った。
「あ・・でも、僕は君がうらやましいよ。僕なんかおかめ納豆さえも無理だ。お見合い自体が無理だもの。そういう家に育っていないし・・青木君みたいにモテそうに生まれていない。多分ここで・・このアパートでギタリストとして・・老けたまま孤独死だ。」
中村さんが言った。
「沢田貴章なんか違う人種だよ。石の中の玉だ。あの人だって奥さんが青木君と浮気しまくりで・・ちっとも幸せじゃないよ。一人で幸せ家族とか、愛妻とか思ってるんじゃないの?あの人だってあの人なりに苦しいことが多かったんじゃないの?」
中村さんが続けた。
「まぁ・・たしかにTAKAって普通に育った感じじゃなかったなぁ・・。」
酔ったKENちゃんが苦しそうに言った。
「いいじゃないか。他人にどう思われたって。中が幸せならいんだよ。青木君はそろそろ幸せになったほうがいいよ。」
中村さんが言った。
「堅気になろうかなぁ・・再婚しようかなぁ・・。」
KENちゃんがつぶやくように言った。
「もうチャンスがないかもしれないよ。ダメ元でいいじゃないか。普通の人だとうまくいくかもよ。」
中村さんが言った。
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