碧いラフレシアの花 その795 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代




そのうちU子さんは酒臭いKENちゃんの動きが止まったことに気が付いた。



KENちゃんが全く動かなくなったのでU子さんが不安になって、「青木さん、大丈夫?」と聞いた。




「ごめん・・大丈夫じゃない。飲みすぎて立たない。ごめん、真帆。」



KENちゃんはそう言ったまま、また寝てしまった。











U子さんは中村さんのアパートの古びた天井を見上げた。


染みが不可解なパターンを作り出して


心理テストのインク痕のように見えた。







「あともうちょっと経ったらまたやろうよ。」


U子さんがそう言ってまな板の上のきゅうりのようにKENちゃんの体を揺さぶった。



KENちゃんは何も答えなかった。



U子さんはずっと好きで追っかけていたKENちゃんを初めて布団の中でまじまじと見た。



もうKENちゃんは34歳で


よくよく見るとおっさんだなぁ・・と


U子さんは思った。



小柄で老けて


酒臭くて


アレも出来ないKENちゃんに初めて幻滅を覚えた。



「バンド終わってもまた会おうよ。」


U子さんがまた話しかけてみた。



彫像のようにKENちゃんは何も答えなかった。