碧いラフレシアの花 その783 KENちゃん最後のライブ | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代




昔初めて立ったライブハウスでKENちゃんは音楽活動を引退することになった。




解散ギグにはそんなに人は集まらなかった。



関係者が多くて内輪の雰囲気だった。





自分が年半分くらいの時に、TAKAのバンドのオーディションに受かってここで歌えたのが嬉しかった。



今は自分の足元でU子が髪をふりみだしてステージに身を投げ出して泣いているのが見えた。




U子はなぜこんな凄い泣き方をするんだろう・・・。




KENちゃんはU子さんの本名が幸子だと知っていた。


でもオバケのQ太郎のU子さんに似ているのでU子とバンドメンバーに呼ばれていたので、U子さんと呼んでいた。




KENちゃんはそのあとの打ち上げが怖くなってきた。


U子さんと話すのが苦痛だった。




昔はTAKAのバンドでTAKAのおこぼれの可愛いグルーピーを引くことができるので


打ち上げが楽しくて仕様がなかった。




34歳の今では仙人のようなギタリストの中村さんのせいか、ストーカー化したU子しか抱ける女はオプションがなかった。





グルーピーがU子で妻が雅子か・・・。




もうKENちゃんはすべてがどうでもよくなった。


もうただ生きていればいいと思った。





「KENちゃぁぁぁーん。」


のどからふりしぼるような声でU子が叫んだ。



KENちゃんのキャリアの断末魔のような叫びだった。