その後家族四人で真帆は初詣に行った。
一番ありえないだらしなかったTAKAが真帆に世間がうらやむ家庭を与えた。
お母さんが絵馬に「もうひとり孫が出来ますように。」と書いた。
真帆の顔が一瞬曇った。
黒いコートを着たTAKAが白い神社の砂利の上で赤いコートを着た絵里奈と遊んでいた。
「TAKAちゃんはもてそうだからね。浮気しないようにもうひとり作っておくんだよ。」
お母さんが真帆をこづいた。
主婦業に専念するためにあと1年で連載を終わらせるということだった。
それなのに肝心な子どもは全然出来なかった。
そういえば19歳のお正月にKENちゃんが絵馬に「バンドが売れますように」とだけ書いて何となく笑ってしまった事を真帆は思い出した。
バンドは売れたけど、それはTAKAがKENちゃんを首にした後に売れたのだ。
KENちゃんのことはどんなに好きでもいつも何かの運がなかった。