碧いラフレシアの花 その766 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

辛い仕事からKENちゃんがアパートに帰って来たとき、アパートのドアの前にケーキの箱が置いてあった。

手紙からU子さんからだと分かった。



「あ~、毒とか盛ってないよね、U子。」

KENちゃんがぶつぶつ言った。



貯金もなく、息子にお年玉などをあげたらすっからかんになるKENちゃんには高級品のケーキだったが、KENちゃんは嬉しくなかった。


「気が重い・・。」

KENちゃんが独り言を言った。

このアパートでは話し相手もいなかった。





急に11年前の真帆と過ごしたクリスマスの会話を思い出した。








「あのね・・、KENちゃん・・。色々あったけど、こうしてKENちゃんと付き合えて私・・幸せなのよ。KENちゃん、本当にありがとうね・・。」

真帆がそう言った後、KENちゃんが嬉しそうに笑った。

「KENちゃん死んだりしないでね・・。死んじゃったりしたら私、悲しいよ。」

「死なねーよぉ。殺すなよぉ。」

KENちゃんが苦笑した。

「代わりにTAKAがヤク中で死なないように心配してやれよぉ、オマエ。」

「え・・?何それ・・?」

「TAKAははっきり言わないけど何かハードドラックやってそう・・。大麻は昔から。」

「えええ・・。知らなかった。」

「TAKAの家であいつが吸ってたの見たろ。最近誇大妄想が強くて性格が変な感じになって来てるよ・・アイツ。大麻じゃ性格はそうならない。それ以外のなんかをやってる・・・と思う。」

真帆がげんなりした表情を見せた。

「いや・・あいつはそんなに性格自体は悪くはないと思う。でもあいつのお袋が体売って女手ひとつで育てて・・、色々辛かったみたいよ。よくお袋が間男と同棲して、TAKAがいろんなお袋の間男に殴られて育った・・って飲んだとき言ってた。本人のせいじゃないから可愛そうだけどね。結構可愛いところもある奴だけど、気難しくって・・気難しくって・・。」

「・・・・・・。」


「すごく芸術家肌で、曲も書けるし・・。ちゃんと売れるように、嫌々ポップにしてるって本人は愚痴ってはいるけど・・・やっぱ才能あるんじゃないの?TAKAがいなかったらメジャーデビューなんてまあ、なかったよ。
でもどの女とも続かないし・・本人に影があるからね・・・・こういうことはもうどうしようもないんじゃないの・・?」

「そういう事は全然知らなかったよ。」

「いや・・本当に見てくれとかは少女漫画みたいだけど・・・実際は・・もぉ、セックス、ドラック、ロックンロールで・・。性格自体は結構子供っぽくて可愛いよ。でもお袋との関係で屈折してるから・・女関係はダメみたい。女から見るといい迷惑かも。」











今思い返してみれば、最終的に一番ドラックにハマったのは真帆だった。


それでも真帆はクリーンになって復活して、その後有名プロデューサーになったTAKAの妻の座に座った。







一番死にそうで

誰も女を幸せにしなかったのは

結局KENちゃんだった。