碧いラフレシアの花 その764 KENちゃん33歳のクリスマス | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



クリスマスの朝はからりと晴れていて、冷たい空気がKENちゃんの頬をついた。


風の噂でTAKAはどこまでもツイていて、ホテルなどの不動産は高いときに売りさばいたのだという。


どこかでTAKAが内心バブルでぽしゃるのを期待していた。

しかしそうはならなかった。

そして結局TAKAには勝てなかった。


最近のKENちゃんは公園の掃除のバイトで食べていた。


中村さんはバンドを辞めたいとこぼしながらも、インディーで続けていた。

KENちゃんも33歳の今からゼロに戻る勇気はなかった。

中村さんのバンドにいる限りは、売れなくても社会からは無視されていないような気がした。




1週間前にU子さんにクリスマスデートに誘われたが丁寧に断った。


人の事は言えないがU子はいつ結婚するんだろうと思った。








真帆と最後に電話で話したのは2年前だった。



11年前の22歳の時の真帆とのクリスマスを思い出した。

あの頃が人生で一番楽しかったなぁ・・と回想した。



KENちゃんの人生はバブルがはじける前から離婚した妻の自殺などで既にはじけていた。


だから世間のバブルがはじけようが、KENちゃんはKENちゃんのままだった。