碧いラフレシアの花 その758 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


KENちゃんは吐きながら一緒に涙が流れているのに気がついた。


何のために泣いているのか分からなかった。


塩辛い涙の味が鼻につんと来た。


嘔吐の匂いと一緒に、自分が底辺を打っているのに気がついた。



トイレのドアの向こうで中村さんが「青木さん~?平気~?」とろれつが回らない状態で言った。

「U子でもここに呼ぶかぁ~?」とさらに中村さんが笑いながら言った。


「U子はいらねぇー。」KENちゃんがむっとした声で便器に伏せながら答えた。


全部吐きながら泣いた後、KENちゃんは何故か笑っていた。



この人生のおかしさが馬鹿馬鹿しかった。




メジャーデビューの次の日にTAKAに捨てられた可愛そうな19歳の真帆と本当に結婚したかった。


本当に結婚したかった。







今思えばデブでも真帆のほうがU子の100倍マトモだった。



ドラックで片足を棺桶に突っ込んでいたあの二人組みが

今では世間では尊敬されていて


KENちゃんにはない愛も金も家庭も

高い車も

ホテルも

別荘も


何でもあった。




何故自分には何もないのか

分からなかった。