夏の夜が更けていった。
狭いアパートの畳が、ずっと畳替えしていないので黄ばんでいた。
KENちゃんは若い時に
自分が33歳でこういう風に生きているとは思わなかった。
隣の部屋の風鈴の音が聞こえてきた。
最近バックステージからKENちゃんの物が良く無くなった。
金とか財布は無事なのに
ベルトとか靴下とか変なものが消えていった。
ストーカー系グルーピーU子の仕業の様な気がした。
U子が家でこっそり自分の靴下を履いている図式とか、ベルトを締めてる様子とか
想像したら気分が悪くなった。
TAKAのバンドのボーカルをしていた頃のような女の子に関するおいしい話はもうなかった。
暇なのでTVをつけてみた。
真帆とTAKAがTVに出ていたのでびっくりした。
TV企画で真帆をダイエットさせるという
どうしようもない代物だった。
KENちゃんは苦笑した。
かつて愛した美少女の真帆が
29歳になって
デブを隠す為に
インド人のような格好をして座っていた。
TAKAは相変わらず美形だった。
昔のまんまだったので、KENちゃんはちょっとびっくりした。
涙ぐみながら「痩せてもう一回、夫、沢田隆章の為に可愛いママになりたい。」と真帆が述べた。
肥満過ぎて妊娠できないとか・・・
KENちゃんにとってはもうどうでもいい話ばかりだった。
3ヶ月企画だそうだ。
「痩せられなかったら俺が全部ロスとコストを払います・・。」とTAKAが言い切った。
それから「だから失敗しても大目に見てあげてください・・。」とTAKAが続けた。
真帆が顔をくしゃくしゃにして嬉し泣きしていた。
あほくさ・・・・・
KENちゃんは絶句した。