碧いラフレシアの花 その744 KENちゃん32歳の正月 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



正月にKENちゃんは自分の実家にいた。

息子の顔を見ながら

まだ全部失った訳ではないんだと

自分を慰めた。



家族で居間にいるとき

芸能人のお正月のお出かけの様子がTVで放送されていた。

空港で生中継されているもので

みんなでハワイに行くらしい。



KENちゃんとは関係がない世界だった。



ふと見ると空港の移動道路の上のTAKA一家が放送されていた。


KENちゃんの顔がこわばった。



真帆の顔がアップになって

フラッシュがたかれた。


KENちゃんのお母さんが引きつって「ま・・真帆ちゃん?」と言った。

KENちゃんの両親は真帆・・漫画家の早坂まりあが3年間KENちゃんと同棲していた事をよく覚えていた。


真帆の実家はKENちゃんの実家のすぐそばで

10年前、アパートに同棲する前にちょっとだけ正月の頃真帆がKENちゃんの実家にごやっかいになっていたことがあった。

「ま・・真帆ちゃん・・太ったわねぇ~。」

KENちゃんのお母さんが呆れたように言った。


「なんか拒食症で死にそうになったり、こんな太っちゃったり、真帆ちゃんも大変ねー。」

KENちゃんのお母さんがちょっと馬鹿にしたように言った。



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