それからお母さんはまた続けて昔の事を思い出した。
6年前の正月の電話で真帆のお母さんとTAKAはさらに口論になった。
「あんたは真帆の金が目当てなんだろ?」
「おかーさんもでしょ?」TAKAが馬鹿にしたように言った。
お母さんが発狂してヒステリックに叫んだ。
「いい加減にしなさいよっ!あんた!」
「すみません。冗談がきつかったです。謝ります。」TAKAがしれっと言った。
「あんたいくつなの?」
「27。」
「27でそんな格好してるの?ついていけないよ。」
「お母さんに好かれるように、少し大人しくしますよ。」
「あんた、いつもそんな話し方なの?」
「はい。」
「あんたの仕事には先があるのかい?」
「おかあさんも応援してください。」
「本当に駄目そうだね。」
「そんなに駄目ですかね・・。」
真帆の母親がTAKAのふざけた態度にイライラしだした。
「真帆を呼んでくるから・・・。娘にあんまり深入りしないで頂戴。」
お母さんが叫んで真帆を呼んだ。
「真帆、あのベース弾きから電話だよ!」
お参りが終わった後、真帆は家族で境内の茶屋に入った。
「あ~、今年、ハワイに別荘買おうか。」TAKAがうどんを食べながらぼそっと言った。
お母さんの顔がぱっと輝いた。
「何から何までお世話になるね、TAKAちゃん。」お母さんが言った。
「え?ハワイ。面倒くさい。そんなとこ好きなの、TAKA?」
「俺は好きじゃないけどさ、絵里奈が海で遊べていいんじゃないかな?」
「子供なんかハワイなんか行ったって意味ないよ。どうせ分かんないじゃん。神奈川の海水浴場でバケツもたせて遊ばせておけばいいじゃん。」
「真帆、せっかくTAKAちゃんが子供のために言ってるのに・・・。」お母さんがむかっとして言った。
TAKAがお手洗いに行く為に席を離れた後、お母さんが不機嫌そうに真帆をこづいた。
「あんたね。いつか飽きられて夫に捨てられる日が来るよ。28歳なんか私の世代からみたらもうおばさんだからね!もっと夫に尽くしなさいよ。料理は一切しないし、子供のお風呂もおしめも全部TAKAちゃんに押し付けて・・・・・。」
「TAKAは子育てが趣味って言ってたからやらせてあげてんだよ。」
「仏の顔も3度だよ。真帆。」