元旦の朝刊を見ながら真帆のお母さんが急にはしゃぎ出した。
「TAKAちゃん、ほらほら。納税額が・・芸能部門で3位。有名プロデューサーだねぇ。」
お母さんがそう言いながらTAKAにしだれかかるようにしておとそをついだ。
何故か自分の夫なのに真帆はその事実は嬉しくはなかった。
「あんた甘ったれていないでちゃんと食べなさいよ。そうやってガリガリに痩せてTAKAちゃんを心配させて・・・。いい旦那さんなんだからもう一人子供くらい産んであげなさいよ。」
真帆はTAKAとお母さんが初めて顔を合わせた日の事を思い出した。
真帆が18の時に付き合って19歳でTAKAに捨てられた時にはお母さんはTAKAの存在を知らなかった。
KENちゃんとの3年の同棲を解消した後の引越しで、当時のローディのしんちゃんがコタツや電子レンジを欲しがって真帆のアパートに手伝いに来た。お母さんもまた真帆の引越しの手伝いにやって来た。
その時リバウンド復縁してまた付き合っていたTAKAは、仕事があるので来ないという事だったけれど、仕事のイベントがキャンセルされたので予告なしに手伝いに来た。
そこで真帆はお母さんとTAKAを、運が悪い事に偶然鉢合わせにしてしまった。
真帆が22歳の時だった。
真帆はお母さんが怒るのでTAKAの存在をただ隠したかった。
急にその6年前の今頃を真帆は思い出した。
その情景が蘇った。
「あんたは真帆の何なの?」
お母さんが冷たい口調でTAKAに聞いた。
真帆が急いで「オトモダチだよ。」と言った。
TAKAがむっとした顔をした。
「しんちゃん、コタツ見る?」
真帆がしんちゃんと一緒に逃げるように隣の部屋に消えた。
真帆のお母さんがけっ・・という顔をした。
「どういう感じのオトモダチだい?」
お母さんが馬鹿にしたように聞いた。
あはは・・とわざとらしくTAKAが笑った。
態度の悪さにお母さんが怒り出した。
「あんた何の仕事してるの?」お母さんがムッとしながら聞いた。
「ベース弾き。」TAKAがぼそっと答えた。
「真帆こっちに来なさい!」
お母さんが叫んだ。
TAKAなんか基本は昔と変わらないのに
今ではお母さんの自慢の婿養子だった。
真帆は苦笑した。
「子供の事はちょっと考えさせてよ。私だって仕事してるんだから。」
「仕事はもうやめな。」
お母さんがすぐに言い返した。