碧いラフレシアの花 その633 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

そうだ・・・

あの後浮気に激怒したTAKAがメジャーデビューの次の日に、グルーピー上がりの自分を捨てたんだ・・・・。





真帆は自分が十代の頃を思い出した。


あの時は何もなくって


何かを手に入れようとして

いつもいつも焦っていた・・・。




TAKAに捨てられた後田中さんと付き合おうか、KENちゃんと付き合おうかと真帆は迷った。







次に弁護士になった田中さんと

赤坂のクラブの裏売春の仕事でばったりと会ったのはずっと後の事だった。

TAKAのお母さんがレディースローンで作ってとんずらした借金を真帆が代わりに返済してあげていた時だった。



クラブの隠語の「ランチボックス」だか「ディナーボックス」で真帆が田中さんのホテルの部屋に配送された時は田中さんはすでに既婚で双子の赤ちゃんがいた。


あんな地道な感じの田中さんでも金があれば真帆みたいな若い女の子を買ったりしていた。


TAKAは浮気もしないで、今では田中さんの10倍くらいは軽く稼いでいた。あの頃の田中さんと年が近いのにTAKAは同じ男とは思えないほどにまだ美しいルックスをキープしていた。




では何故夫を愛せないんだろう・・・。





TAKAは知り合いは多いけど特に友達はいなかった。


TAKAは自分の父親も誰だか分からないし

母親にも借金を押し付けられて逃げられた。



母の多数の同棲相手に殴られながら育ったうちに

人間はひとりだとどこかにインプットされたらしい。



頭の中に冷たいマイクロチップを埋め込まれているみたいな

その言い草や割り切りが

真帆にはいつも残酷に思えた。





多分生まれて初めて覚えた友情が

気の弱い真帆との間のものだったのだろう。


見返りなしに貢ぐ真帆を

TAKAはたいそう気に入った。







TAKAが子供に走るのは寂しい人間が猫にはまるようなものだと真帆はいつも思っていた。






猜疑心の強いTAKAは自分が売れてから近づく女には全く興味がなかった。











コンビニでおでんを売るKENちゃんには

真帆が小さい頃からずっと欲しかった

男の人の暖かさがあるような気がした。



前の奥さんに暴力をふるっても

アル中で入院しても

KENちゃんには普通の男の人にある暖かさがまだあるような気がした。





3年KENちゃんと一緒に暮らした真帆には二人の差がはっきり分かった。