TAKAが絵里奈を一所懸命あやす声が聞こえてきた。
ぼんやりと真帆は昼間に外の公衆電話からKENちゃんの家に電話をかけたことを思い出した。
真帆はKENちゃんがクリスマスに家にいるかどうか知りたかった。
KENちゃんには他にクリスマスを一緒に過ごす女の子がいるかどうかが知りたかった。
KENちゃんは家にいなかった。
ただ留守電のテープだけが返答した。
真帆は留守電に
「KENちゃんの事がずっと好きだからね。19歳の時のクリスマスにKENちゃんが温泉に連れて行ってくれた事、一生忘れないからね。」
と吹き込んだ。
真帆は留守電に吹き込んだ後
これはとても重いメッセージだと思った。
そのうち自分がKENちゃんにうとましがられる日も近いと思った。
今度浮気する時は
そんなに好きな人でない人と浮気しよう・・・。
本当に好きな人と不倫するのがこんなに苦しいとは思わなかった。
もう子供なんかどうでもよかった。
子供のプレゼントさえも忘れていた。
いつか自分が滅びる日が静かに近づいているような気がした。