気がついたら秋になって真帆は28歳になっていた。
真帆の娘も1歳になっていたので、既に歩いてカタコトの言葉を話していた。
相田美穂が自殺してからさらに美穂の音源の売り上げが伸びた。
美穂は神格化された。奇妙な事にダーティーなイメージは全くなかった。
「美穂は自殺したんじゃないよ。そんな子じゃなかった。キチンと丁寧に歌う綺麗な子だったのに・・・。」
TAKAがそう言った時、真帆がカチンと来た。
「自殺したんじゃなかったら何なの?じゃOD事故死?キチンと歌っても生活はあんまりキチンとした子じゃなかったね。KENちゃんと不倫してたしね。」
「そういう嫌なことを言うなよ。美穂はお前の漫画のファンだったんだぞ。早坂先生みたいに結婚して赤ちゃんが欲しいとか言ってた可愛そうな子だったんだぞ。KENちゃんなんかコンビニ勤務のただのやらしいヘビメタ親父だぞ。妻子がいるのに18くらいの子に手を出す奴が非常識なんだよ。ところで、お前は美穂の事とか言えるのか?」
「うるさいなっ!やたらあんた美穂を庇うじゃないの。」
痛い所を疲れて真帆が怒り出した。
「美穂が俺の曲を歌ったから、ざくざく我が家に印税が入ってお前はこんな暮らしが出来るんだぞ。誰のおかげだー?美穂はスターだぞ。ただの少女漫画描きではない。」
「ただの少女漫画描きで悪かったね!」
「故人の悪口を言うなよ。美穂があんまりだろ。自分を何様だと思ってるんだよ?美穂が捨てた不倫男の駄目ロッカーのKENちゃんと浮気とかすんなよ。」
「死ねばいいのにっ!」
「死んだら、俺の印税で娘をよろしくね。あのヘビメタKENちゃんと再婚するなよ。俺と美穂の金がもったいないから。」