TAKAの事務所に電話が入った。
相田美穂からだった。
最初美穂が移籍したいとか、そういう用事で電話をかけて来たのかとTAKAは思った。
電話の美穂は様子が変だった。
不安になるような喋り方だった。
「どうしたの?元気・・?」
「あまり元気じゃないんだよ。」
「ここに移籍でもするの?俺について変な噂を流されてインネンつけられそうで怖いけどね。あの社長は色ボケでヤクザ絡みだからね。」
「歌手がどうとか仕事がどうとかじゃなくて殺されそうだよ。」
「え・・?誰に?」
「社長に。」
「殺さないでしょ。大切な商品は殺さないでしょ。」
「いや、消されそう。」
「何で?」
「社長がヤクザ絡みで、いやらしい接待を・・・色々裏社会とか・・・名前を出せないような政治家相手にとかを・・私にやらせたんだよ。」
「え・・・。」
「凄いヤクザとか、社長とか・・政治家の先生とか色んな人と寝たんだよ。社長が命令してやらせたんだよ。接待の仕事だって言って。」
「もう歌手やめろよ。間違ってるよ。」
「接待の仕事しないと首にするとか、ソープ嬢だった事とかリークするって脅すんだよ。」
「もう、一生分稼いだろー?そうまでして歌いたいか、お前?」
「私も、歌手やめるって言ったんだよ。でも腹が立ったから、全部寝た相手とか裏社会の話とかバラすって言ってやったの。私日記書いてるんだよ。いつどこで、誰と何のために寝て接待したか、全部克明に書いてる。だから、それ持って警察に行くよって言ったの。」
「ああ、凄い話だな。」
「そうしたら、社長に首を絞められたの。」
「お・・おい。」
「喋られたら全部終わりだから、死んでもらう・・・。とか言われて。」
「もう警察に行けよ!」
「それで社長の頭を側にあった花瓶で殴って、逃げてきたんだよ。密会用のマンションから逃げてきた。」
「社長はどうなったの????」
「生きてるみたい。ニュースにはならないし・・。気絶しただけでしょ。」
「今、美穂はどうしてるの?どこにいるの?」
「もう仕事したくないから、ホテルにいるよ。2,3日前に密会用のマンションから逃げてきた。」
「その証拠の日記帳はどこにあるの?」
「私のマンションにあるよ。でも合鍵で社長が侵入して処分したと思う。」
「しばらく隠れていろよ。あの社長ヤクザがらみだから恐ろしいよ。」
「うん・・。隠れているんだけど、誰かが来て、私殺されるんじゃないか・・と不安で。」
「国外に逃げたら?」
「パスポートはマンションなんだよ。合鍵で入ってあの社長が待っていそうで、戻れないよ。」