コンビニの仕事を終えてKENちゃんがアパートに着いた。
今のKENちゃんの人生はアパートから歩いてコンビニに働きに行って、ライブハウスでへヴィメタを歌うだけだった。
TAKAのバンドにいた時は、売れるまでは実家から通っていたので、インディーでも小遣いには不自由していなかった。バイトは肉体労働系でしっかり稼いでいた。
寄る年波のせいで、肉体労働系の仕事はきつくてもうできそうにもなかった。
メジャーでも現在のへヴィメタバンドの月給は13万だった。
アパート代と生活費で、たまに女を買うと全部消えた。
サン★スなしでは人間らしい生活は出来ないと思った。
テーブルの上に未開封のコンドームの箱があった。
また真帆が来てくれることを期待して、2週間ほど前に、働いているコンビニ、サンク★スの監視カメラを止めてKENちゃんが盗んできたコンドームだった。
それはまだ未開封のまま埃をかぶっていた。
27歳で経産婦で人妻の真帆なんか興味がないだろう?とTAKAは言ったが
自分のバンドのグルーピーの、ボンレスハムみたいな足に網タイツを食い込ませてる可愛くない21歳へヴィメタ女よりは、TAKAの自慢の子持ちの女房のほうが欲情した。
でも真帆があれからそんな状態になっていたとはKENちゃんは夢にも思わなかった。
真帆と寝てからは、真帆からは一切連絡はなかった。
罪悪感を感じながら、粗大ゴミで昨日拾って来たファミコンでKENちゃんは遊びだした。
ひとりぼっちの夜だった。
真帆には本当に可愛そうなことをしたと思った。
思い出したように留守電をチェックしてみたら「U子」さんというKENちゃんのバンドのグルーピーから留守電が入っていた。
「U子」さんは、オバケのQ太郎に出てくるU子さんに似ているので、あくまで仇名だった。
ジャパメタになってから本名「青木健一」でデビューしたので、これはしっかりU子さんにイエローページで住所と電話番号をチェックされてしまったようだった。
家に来るなよ・・・。
KENちゃんは怒りさえ感じた。
何故真帆は電話をくれないのだろう・・と思った。
もっと優しくしてあげれば良かった・・・。
KENちゃんは深く後悔した。