碧いラフレシアの花 その615 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代






コンビニの仕事を終えてKENちゃんがアパートに着いた。


今のKENちゃんの人生はアパートから歩いてコンビニに働きに行って、ライブハウスでへヴィメタを歌うだけだった。



TAKAのバンドにいた時は、売れるまでは実家から通っていたので、インディーでも小遣いには不自由していなかった。バイトは肉体労働系でしっかり稼いでいた。


寄る年波のせいで、肉体労働系の仕事はきつくてもうできそうにもなかった。


メジャーでも現在のへヴィメタバンドの月給は13万だった。


アパート代と生活費で、たまに女を買うと全部消えた。


サン★スなしでは人間らしい生活は出来ないと思った。





テーブルの上に未開封のコンドームの箱があった。


また真帆が来てくれることを期待して、2週間ほど前に、働いているコンビニ、サンク★スの監視カメラを止めてKENちゃんが盗んできたコンドームだった。


それはまだ未開封のまま埃をかぶっていた。





27歳で経産婦で人妻の真帆なんか興味がないだろう?とTAKAは言ったが

自分のバンドのグルーピーの、ボンレスハムみたいな足に網タイツを食い込ませてる可愛くない21歳へヴィメタ女よりは、TAKAの自慢の子持ちの女房のほうが欲情した。







でも真帆があれからそんな状態になっていたとはKENちゃんは夢にも思わなかった。


真帆と寝てからは、真帆からは一切連絡はなかった。





罪悪感を感じながら、粗大ゴミで昨日拾って来たファミコンでKENちゃんは遊びだした。


ひとりぼっちの夜だった。








真帆には本当に可愛そうなことをしたと思った。





思い出したように留守電をチェックしてみたら「U子」さんというKENちゃんのバンドのグルーピーから留守電が入っていた。

「U子」さんは、オバケのQ太郎に出てくるU子さんに似ているので、あくまで仇名だった。

ジャパメタになってから本名「青木健一」でデビューしたので、これはしっかりU子さんにイエローページで住所と電話番号をチェックされてしまったようだった。

家に来るなよ・・・。

KENちゃんは怒りさえ感じた。






何故真帆は電話をくれないのだろう・・と思った。

もっと優しくしてあげれば良かった・・・。


KENちゃんは深く後悔した。