TAKAがツアーから帰って来た。
娘は喜んでいたが、真帆はもう特に感動はなかった。
18歳の時から約9年、TAKAの顔を見続けて
TAKAがどんな性格かを知り尽くして
食傷気味だった。
あんなに好きだったKENちゃんの冷たさと
時間の流れの前に
真帆は無力さを感じた。
一切KENちゃんには電話をしなかった。
TAKAが個人事務所設立と独立に向けて
会計係だの顧問弁護士だのを探してきた。
9年前のTAKAはいつも金がない
ふざけたベース弾きだった。
もうTAKAは自分が忙しくなって、KENちゃんネタには飽きたようだった。
特にTAKAのほうからはもうKENちゃんの話はしなくなった。