碧いラフレシアの花 その588 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



その日の夜にTAKAの自宅に電話がかかってきた。


美穂からの電話だった。


謝ろうと思って、社長から電話番号を聞いたのだという。



「自宅に電話するのやめろよ。誰が電話取るか分からないんだから。」


TAKAがむっとして言った。


「ごめんなさい。あれは社長のアイデアで私のアイデアじゃないの。私はああいうことはした事ないのよ。初めての試みで・・信じて頂戴。」

「別にお前と社長のシモの話なんか興味ないよ。俺のオフの日を無駄にすんな。2度と呼ぶなよ。」

「奥さんは?」

「寝てるよ。あと、電話するのに、夜遅すぎ。色んな意味で非常識。」


美穂が涙ぐんだ。

「ごめんなさい。」

「分かったらもういいよ。」

「あのね・・社長が3Pやろうって言い出して・・・。」

「断れよ。」

「断れない事情があるんだよ。」

「その断れない事情って何だよ?」

「一回別れたいって、社長に言ったら・・事務所を首にするって脅されて・・。」

「社長は、Y組系のヤクザがらみの人らしいよ。枕営業なんかするからそういう事になるんだよ。最初からお前が悪いんだよ。」

「それだけだったらいいよ・・。」

そう言いながら美穂が泣いて続けた。

「首にした後、昔ソープにいた情報をリークして業界から追い出すって脅されて・・。」

「あ・・・、ソープ嬢だったの?」

「うん・・。」

「処女だったワタシをKENちゃんが妻子持ちなのを隠して騙したっていう話は・・?」

「マネージャーに怒られてつい嘘をついたんだよ。KENちゃんには悪いことをしたと思う。私、KENちゃんの事は愛していなかったから・・・。」

「・・・・・・・・・。」

「ソープ上がりなのがバレたのは最近だよ。昔の仲間が事務所にタレこんで、社長がお金積んで黙らせたんだよ。もう一生社長の性の奴隷だよ。愛なんかないよ。」

「でも、お前がぽしゃったら、社だって傾くだろう・・?ついに社長は色ボケで頭がおかしくなったのか?キチガイか?」

「もう、すごい執着で・・。あの調子では移籍したら噂を流されるし・・・。社長の相手しながら歌って社に貢いで、結婚も子供もナシなんだろうなぁ・・私・・。」

美穂が泣きながら悲しそうに言った。


「お前、歌手やめたら?」

「やめてどうするの?」

「ソープでもやれば?」

「いやだよ。」

「男に利用されてるよりはずっとソープ嬢のほうがいいぞ。それでもいいって結婚してくれる奴はいると思うけど。」

「そんな人いないよっ!」

「真帆・・・早坂先生・・は300万体売って俺に貢いだけど・・今は俺の女房だなぁ。一般人にはキツイ話かもしれないけれど・・・。」

「そんな人いるかなぁ・・。TAKAさんみたいに素敵で、それでもいいよって言ってくれる人なんているのかな・・ぁ・・。そんな夢みたいな話あるんだ・・・。」



「社長も年だから、案外ぽっくり行くかもしれないぞ。もう早く死ねばいいのにね。」

TAKAが笑いながら言った。


「死ぬかなー?最近ハワイで買って来たインポのクスリ飲んでるよ。日本では違法みたい。副作用で心臓に来るらしいよ。」

「インポならしなきゃいいのにね。早くそれで死ぬといいね。」

TAKAが笑いながら言った。


美穂も泣きながら笑った。



「私、TAKAさんみたいな人のお嫁さんになりたいよ。」


美穂がため息まじりに言った。