碧いラフレシアの花 その580 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



正月3日明けに自殺した奥さんの父親が職場から電話してきた。


KENちゃんが奥さんの父親の職場に子供のお年玉を送ったので、お礼を兼ねての電話だった。




奥さんの父親によると、奥さんは子供が出来ない夫婦が40過ぎてから授かった子なので、現在奥さんの両親は70過ぎの高齢であるという。


奥さんの父親は公認会計士で自分の事務所を持っていてそこで現在働いているのだという。いくらなんでも引退したいが、孫の将来が心配なので働いているのだそうだ。


最近鬱病かと思った奥さんの母親が実は認知症でもあると判明した。いわゆるまだらボケ状態だそうだ。


妻の世話と2歳の孫の世話は不可能なので、妻のボケが進行した頃に孫をKENちゃんの実家に送りたいという事だった。


KENちゃんの子供は現在保育園に行っている事、人なつっこくて明るいという事なども教えてくれた。



「今度写真を送るよ。」

奥さんの父親が落ち着いた声で言った。

「すみません。ありがとうございます。」

「僕はもう10年生きるかどうか分からないよ。だから孫を大切にしてくれ。」









その夜にKENちゃんはスーパーで奥様用の白髪染め「黒色」を買った。



子供の為に家事手伝いではなくて、せめてジャパメタになろうと開き直った。



少しは子供の為に頑張ろうと思った。