実家に帰ってから、KENちゃんは30歳にして家族の粗大ゴミのような男になった。
入院するほどではなかったが
酒をやめることは不可能だった。
父親の工務店の手伝いも酒臭くて出来ないので
ただ家にいた。
たいして金はなかったが実家にいればホームレスにはならなかった。
真琴君が売れたので便乗して昔のB・Bの音源も売れた。真琴君がライブでKENちゃんの頃のナンバーもしっかり歌ってくれたからだった。
そういうわけで振り込まれる印税でKENちゃんはただ酒を買った。
昔の契約で20%の権利があったから、家事をしない家事手伝いのようなおじさんと化した。
KENちゃんはずっと女の子と寝ていなかった。
バンドをやっていた頃はそれに不自由はしなかったが、今は孤独なやもめのようだった。
酒を買いに出たついでに酒臭い息でテレクラの会員になってみた。
テレクラの受付の女の子が奇妙に可愛かったので、ちょっと冗談を言ってからかってみたりした。
こんな昼間から仕事もしないで酒臭くて、テレクラやるおじさんなんか最低・・・と女の子が冷たくKENちゃんをあしらった。