秋が深まった頃に別れた奥さんからの電話がなくなった。
KENちゃんはほっとした。
ほっとしたけれど
これで子供との縁が切れたのかと思うと
悲しくなった。
ある秋の夜に
真帆が出版社の飲み会から
自分のマンションに帰った時
KENちゃんの別れた奥さんが
ペタンと自分のマンションのドアの前に座っているのが遠くから見えた。
奥さんに気がつかれる前に
真帆は全速力でマンションの階段を駆け下りて逃げだした。
奥さんはどこを見ているか分からないような表情で
ぽかんと真帆のマンションのドアの前に座っていた。
奥さんの目の焦点は不気味に合っていなかった。
逃げ出した真帆は公衆電話から
自分の家に電話した。
TAKAがすぐに電話に出た。