ツアー先からTAKAは毎日の様に真帆に電話をかけてきた。
真帆は18、19歳の時には数週間も電話も無しで放置されて、そういう気分になったら、ボロイ青いトタン張りの労働者のおじさんと一緒の訳の分からない集合住宅に呼び出されてTAKAのお相手をする、売れないロッカーの虚しいグルーピーだった。
今はTAKAだってそこそこ売れてるし、真帆には強気の銀行残高があるのに、何故か虚しく、TAKAからの電話も上の空だった。
TAKAは
真帆には逃げグセがあって
独りにするとドラックに走って
もっと愛してくれる男がいたら
すぐに乗りかえる
という重要事項を既に知っていたから
毎日電話して確認した。
ある日の電話で
真帆はTAKAがもうすぐ30歳になる事に気がついた。
「あー、帰ってきたらお誕生日のプレゼントにポルシェ買ってあげるよ。」
真帆がろれつが回らない調子で電話口でTAKAに言った。
「いや、それはもういい・・・。ところでお前は大丈夫なのか?またすんごいハードなのにハマってるんじゃあないだろうな??」
「そんなことないよ。そんなことないよ。風邪薬とビールと葉っぱで少し変なだけだよ。ハ・・ハードではないな・・・・。」
TAKAが苦笑しながら・・・・・
「もう少し経ったら救済しに帰るから。捕まるなよ。」と言った。
ハイな真帆が「あんたも遊ぶ時は免許証で相手の年齢を確認するんだよ。捕まるんじゃないよ。」と笑いながら言った。
「俺はKENちゃんじゃないよ。遅く覚えた遊びほど何とかという奴だな。唯一の妻子持ちが今じゃ一番堕ちたよ・・・・。俺なんか可愛いものだぞ。あいつに比べるとボーイスカウトみたいなもんだぞ。」
「KENちゃんを悪く言わないでよ。」
真帆が半分笑い泣きしながら言った。
「頭が悪い私と同棲した時本当に大切にしてくれたんだよ。私がポン中になる前はね・・・KENちゃんは浮気とかしなかったもん。」
真帆が寂しそうに言った。
「また明日電話するから。お母さんにも電話してちゃんとお前を見ておいてくれるように言うから。」
「誰が見たってもう同じだよ。私のお父さんだってキチガイだったもん。」
「あー!本当に大丈夫なのか???お前はまた何かをやってる!!」
「やってないもーん。」
真帆が笑い泣きしながら電話を切った。